コラム

元モーニング娘。の加護亜依が、再度の喫煙を週刊誌に報じられた。
数週間前に、最初に喫煙報道をした写真週刊誌に正式インタビューとして登場し、「ずっと家にいて、8キロも体重が減った」「最近上京して事務所でお茶くみをしている」「もう一度歌いたい」などと真情を吐露した矢先の出来事だった。

事務所の素早すぎる対応と先回りとによって、加護亜依は即日無期限謹慎が決まり、公式には本人の言葉は完全に封殺されたまま2年近くが過ぎていた。そこでこの「もう一度歌いたい」という発言に、ファンがどれだけ勇気づけられたことだろうか。

しかし、これである。喫煙はおろか、37歳の業界ゴロと一泊の温泉旅行、である。

実は「加護を再デビューさせたかったのは所属事務所サイドであって、本人はそれほどでもなかった」という説もある。現役時代の売上への期待や、お蔵入り音源による赤字の相殺が目的だったとすれば、事務所の経営姿勢としてはまっとうな話だ。ソース不明だが、本人は「もう疲れた」「結婚したい」とこぼしていたとか…。加護の小学生時代の夢は「紅白歌手になること」と「結婚すること」だったという。前者は達成したから後者、なのだろうか。

しかし。

「もう一度歌いたい」という本人の声が、ファンに与えた一筋の光明だったとしたら、それが本人の手によって覆される結末と、そもそもそれが本人の言葉ではなかったという虚構と、どちらが残酷な現実なんだろうか。いずれにせよ、加護亜依と、ファンをとりまく状況は一層厳しいものとなるだろう。そして僕らは無力だ。


(余談。この件は
A.18歳年上の男と温泉旅行
B.車中で喫煙
という二つの事件を含む。僕はAをこそ深刻な事態だと思うんだけど、Bのほうが問題視するむきのほうが多いようだ。どちらも残酷だが…。確かにAは適法だが、Bは違法。)

(後日談。「一層厳しい状況に」どころか、即日解雇でした。)

(櫻木)