コラム

何度テレビで放映されてもそのたびに見てしまう、『天空の城ラピュタ』。空から少女が降ってくるところから始まるそのストーリーと、生き生きとしたキャラクターたちと、雄大な久石譲の音楽、そして美しいビジュアルに至るまで、もはや説明は不要だろう。もし、もしも万が一、今まで一度も見たことがない人がいたら、この記事を読み終わると同時にAmazonでDVDを注文してほしい。


さて、本題。

ちょっと前の話になるが、バリ島に一人旅をした。そのときに、贅沢にもウブド地区のビラに泊まったのだが、ここの風景が本当にすばらしいのだ。バリ島と聞くと、大方の日本人はコタなどのビーチリゾートを思い浮かべるかもしれないが、あれはバリ島のある一面の表情に過ぎない。

ウブドは、田舎だ。ビーチもなければディスコもない。しかし、こここそがバリ島の文化の中心地なのだ。美しい自然の中、熱帯雨林と共に集落が点在している。集落の中には壮麗なバリ寺院があり、人々は豚や鶏を追いながら素朴に暮らしている。そのため、観光客は少なくひっそりとしている。しかし、そのせいで高級保養地と化し、密林の中に高級のヴィラ式ホテルが立ち並んでいる。その中でも最高級のそれが、フォーシーズン・ホテルだ。

天空のホテル

フォーシーズン
城の頭頂部に作られた鏡のような池が天を映す。

ここの景色が、まさに『らぴゅた』なのだ。この城を訪れる旅行者は、まずその演出効果で圧倒される。通路をまっすぐ進むと、直径10m程度の円形テラスがあり、山の斜面が一望できる大パノラマが広がっている。テラスの外周半分は池になっており、常に水で満たされ、中には小魚が泳ぎ、水面には蓮の花が風に揺らいでいる。

フォーシーズン2
ロボット兵が花に水をやっていそうな小路。

ところで、
ラピュタ モデル – Google イメージ検索
で検索すると、「ラピュタのモデルになった場所」というのが複数出てきます。(サン・ミシェル、アンコールワットなど…)公式設定ではどうなってるんでしょうか。まあ何か特定の建造物というよりは、そうした古代文明的なものと自然と廃墟をミックスしたイマジネーションの産物なのでしょうが。ちなみに天空の城ラピュタ – Wikipediaによると宮さんは、この作品のためイギリスのウェールズにロケハンに行ったそうです。

(櫻木)