日記

接客業に就く人間の中には、ラテン気質とゲルマン気質の2種類の人間がいる。

いや、別にこれが青森人気質とか名古屋人気質とかでもいいのだけど、この発見をしたのがイタリアンのパスタ屋だったので。

今日ランチで初めて入ったそのレストランは、地下に降りていく立地ながらなかなかにぎわっていた。ホールはほぼ満員状態で、ウェイターが忙しそうに立ち回っている。

で、このウェイターがえらく軽薄なノリの男で、東にミートソースに粉チーズをかけている客がいれば「くさっ!あんたかけすぎだよ~!」と叫び、西にOLのグループがいればデザートをわざと一人だけ出さないフリをしてからかってみたりして、大学生グループが会計をすれば「パスタ大盛りで2300円」と真顔で言ってみたり(本当は900円)と、縦横無尽のおどけっぷり。

僕は店員にいきなりそんな態度をとられたら、「おまえは何を言っているんだ」という険しい表情(ミルコ)をしてしまいそうだと思ったが、どうやらそういった客はみんな常連客のようだった。

と言うことはつまり、こういうラテン系接客スタイルを好む客も一定数いるというわけだ。

僕の個人的な好みとしては、「親しき仲にも礼儀あり」で、たとえ常連になって仲良くなっても、店の人間にあまり気安い口を聞いたりはしないし、店側にも節度と敬意ある対応を求めたい。(これをゲルマン系接客スタイルと名付ける。)

以前、とあるオーセンティックなBARによく通ったが、マスターにあまりに気安い対応をされるようになった僕は行くのを止めた。こっちは接客まで含めてウィスキー1杯に1500円を払っているのだ。タメ口でぞんざいな対応をされるくらいなら家で飲む。

ただ、これもTPOによりけりで、たとえば吉祥寺にあるホルモンのうまい焼酎屋とかでは、フランクに扱われれば扱われるほど良かったりもするのである。

(櫻木)