コラム

数日前から、耳栓をして寝ている。別に線路や幹線道路が近くにあったり、工事現場があったりするわけでもない、閑静な住宅街なんだけど、どうもちょっとしたことで目が醒めてしまう。引っ越す前の環境が、二階で道路から離れたところだったのだが、今は一階で通路と窓の間も近い。

僕は戦士なので、ふとした物音、それこそフツウに人が窓の外を歩いている足音、咳払いの音、猫の鳴き声、これだけで目が醒めてしまうのだ。それも一回醒めたらすぐには寝られず、しばらく悶々として過ごすことになる。そんな話をしていたら、「耳栓をすればいい」と言われた。

検索してみると、耳栓をして寝る人というのは一定数存在するようだ。確かに、例えば同居人がいびきのうるさい人間だったら、安眠生活は程遠いだろう。人間は大抵の環境に離れるが、騒音と睡眠不足にだけは慣れることができない、というのが僕の持論だ。友人女性の日記で、子育て中で大変なときに、いびきをかいて寝ている旦那に腹が立って寝ているところを殴った、というエピソードがあったが、これなどはお互い非常に不幸である。

というわけで、耳栓をして寝ている。でも、それですぐ寝られるかというとそうでもなくて、耳の中に異物感があって気になるのと、「キーン」という耳鳴りが増幅して聞こえるのと、自分の呼吸音や心拍音が響いてくるので気になるのとで、やっぱりストンと寝るような具合にはいかない。ああ、眠りが恋しい。仕事中、2~3時ごろはあんなに眠いのに、あの眠気はそれまでどこに隠れているんだろうか。

(でも多少気になるのは雑菌の問題。イヤホンを1時間しているだけでも、耳の中にはかなりの雑菌が繁殖するという話を以前どこかで見かけたことがあるんだけど、密閉性の高い耳栓もおそらく雑菌の養殖場になるはず。)

(余談。一番困るのは、どうもこの近所がルートの開始地点付近らしく、午前2時半に新聞配達がうるさいバイクで回り始めるのだ。早過ぎないか、2時は! 国民生活に百害合って一理なしの新聞宅配制度は、一刻も早く廃止すべきである。)

(櫻木)