日記

引っ越してからこっち、近所に通るたびに気になっていた店があったんです。

その店は普通の小料理屋、居酒屋のような風情の店なんですけど、住宅街の中にありながら、いつ見ても賑わっていて、店の前には自転車が何台も止まり、店の中からはワハハ、ワハハと楽しそうな笑い声。こんなロケーションにありながらこの賑わいということは、よっぽど美味しいか、よっぽど近所の人に気に入られているか。でも近所だったら、わざわざ毎日外で食べたりしないよなあ…。

と悶々と悩むこと一年余。とうとう潜入に成功しました。


恐る恐る入り口から入ってみると、店員が「いらっしゃいませー」と迎えてくれるでもなく、小さく「入り口」と書かれた引き戸があるのみ。さらに恐る恐る開けてみると、カウンター6席とテーブル2つの、小さな寿司屋のようなたたずまいのアットホームな店構え。

常連の人たちが席を詰めてくれ、カウンターに2人で座ると、まずはお通しの漬物と温泉卵、さらにはサービスで乾杯用のミニビールを出してくれる歓待ぶり。なるほど、手厚いサービスで受けている店なのかな、と思いきや、出される料理がどれもうまい。一見客なのに、常連がにこにこと話しかけてくれ、枝豆を分けてくれたりする。何この、親戚の家みたいなアットホーム加減。

最近は外食産業でのいい加減な仕事や、支那産の怪しい食材による事件が後を絶ちませんが、日本にはまだまだこういうちゃんとした店がある。旨くて安くて近くて親切で、実に楽しく酔えました。僕の中では、吉祥寺のホルモンの旨い焼酎屋に匹敵する実力の持ち主です。

ここで“はてなシュラン”よろしく「この店です!ドーン」とやれば、タケルンバ卿日記のように情報の発展性があるんでしょうけど、諸事情につき店の紹介はしませんですみません。まぁこのエントリは単なる身辺雑記ということで、ひとつ。

皆さんも、家の近くに「住宅街にある」「いつも賑わっている」店があったら入ってみてください。思わぬ名店を発見するかもしれませんよ。

(櫻木)