教育問題

10月30日は、教育勅語発布記念日ですので、改めて教育勅語の内容について考えてみましょう。

そもそも、教育勅語ってなんでしょうか。一部の人が言うように、戦前の軍国主義の危険なものなのでしょうか。
決してそんなことはありません。
教育勅語は、明治天皇が日本国民のためにおまとめ遊ばした、国民一般が広く守るべき、道徳のエッセンスです。それは次に上げるような普遍的な価値観であって、「軍国主義」などというのは言いがかりに過ぎません。

教育勅語の12徳

  • 孝行(こうこう)…子は親に孝養を尽くしましょう。
  • 友愛(ゆうあい)…兄弟姉妹は仲良くしましょう。
  • 夫婦の和(ふうふのわ)…夫婦はいつも仲睦(むつ)まじくしましょう。
  • 朋友の信(ほうゆうのしん)…友達はお互い信じ合ってつき合いましょう。
  • 謙遜(けんそん)…自分の言動を慎みましょう。
  • 博愛(はくあい)…広くすべての人に愛の手をさしのべましょう。
  • 修学習業(しゅうがくしゅうぎょう)…勉学に励み職業を身につけましょう。
  • 智能啓発(ちのうけいはつ)…知徳を養い才能を伸ばしましょう。
  • 徳器成就(とっきじょうじゅ)…人格の向上につとめましょう。
  • 公益世務(こうえきせいむ)…広く世に中の人々や社会の為になる仕事に励みましょう。
  • 遵法(じゅんぽう)…法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう。
  • 義勇(ぎゆう)…正しい勇気をもってお国の為に真心をつくしましょう。

文句の付けようもない正論です。

この教育勅語の最後にも、「この道徳は、古今を貫ぬく普遍的なもので、我が国はもとより外国で使われても正しい道である。(現代語訳)」と指摘されているとおり、海外でも翻訳されて高い評価を得ています。
「軍国主義」云々という批判は、おそらく
一旦緩急いったんかんきゅうアレハ義勇ぎゆうこう奉シほうじ
「万一国家に危急の事態が起これば、大義に基づいて勇気をふるって公の為に尽くし」
という部分かと思われますが、自分の国に一大事が起こったときに、国民がそれぞれの職分と正義に基づいて公共の福祉に貢献するのは、世界中どこでも当たり前のことではないですか。

教育勅語よもう一度

戦後の教育の荒廃、親殺し子殺しの多発、若年労働問題、格差問題などの社会不安は、日本が敗戦によって歴史教育を自分達の手から失い、米ソ、中韓にその根本思想を奪われてしまったからでしょう。

しかし、もっと直接的には、道徳教育の喪失、これがとても大きいのではないかと思います。

そもそも、人間は生まれながらにして人間ではありません。生まれて直ぐに狼に育てられた子供が、まともな人間としての社会生活を営めないように、動物同然の状態で生まれてくる子供を、立派な人間として教え、育てる過程がしつけと教育です。

しかも現在の親も、崩壊した戦後教育と個人主義の核家族で育っているため、「しつけ」機能が正常に機能しなくなっています。初級学校は、しつけと教育と両方の重責を担い、責任を持って子供を人間にしなくてはいけないのですが、教師もまた戦後教育の犠牲、というよりも率先して日本破壊工作を行なってきた日教組や全教組のマルクス主義者が、未だに子供達への共産主義洗脳を行なっている始末。

そんな今だからこそ、教育勅語に示された道徳的価値が見直されるべきだと思います。
僕が小学生の頃は、「道徳」の時間と言うものがあり、視聴覚室で「さわやか三組」という、NHK教育TVが制作したヌルい教室ドラマを視る時間になっていましたが、まったくもって無益で無駄な時間でした。
戦前の「修身」の時間は、教育勅語の徳目を中心に、歴史上の人物を数多く取り上げ、人としていかにあるべきか、日本人としてどう行動するべきかが学べる授業でした。

この12個の徳から構成された教育勅語は、当時の混乱した社会に一つの規範と規律を与える意味でも、その後の日本の国際社会への躍進の原動力としても、大きな役割を果たした日本人の精神的支柱でした。その普遍的な人間道徳の価値観は、当時各国語に翻訳され、世界的にも高い評価を集めたものです。

ところが戦後のGHQ占領期、GHQが「神道令」で「いわゆる超国家主義」を日本社会から追放し始めたとき、この『教育勅語』をも、「これは国家主義の危険思想です」とGHQに御注進した日本人がいたのです。GHQは当時まったく気にしていなかった。しかし当の日本人がそういうならそうなんだろう、じゃあそれも廃止しておけ、となりました。『教育勅語』という近代日本を支えた偉大な思想は、小役人の保身と点数稼ぎのために失われてしまったのです。

これは、あまりに惜しいことです。よって僕は、非現実的と言われようとも、教育勅語の復活と、その精神が広く知られるようになることを希望して止みません。

教育勅語

教育勅語

教育勅語

朕惟ちんおもフニ我カ皇祖皇宗こうそこうそうくにはじムルコト宏遠こうえんニ德ヲツルコト深厚しんこうナリ
我カ臣民ク忠ニク孝ニ億兆おくちょう心ヲいちニシテ世世よよセルハ
レ我カ國體こくたい精華せいかニシテ教育ノ淵源えんげんまたじつここそん
なんじ臣民父母ニこう
兄弟ニゆうニ夫婦相和あいわ朋友ほうゆう相信シあいしんじ恭儉きょうけん己レおのれシ博愛しゅうニ及ホシがく
修メぎょうヲ習ヒもっテ智能ヲ啓發けいはつ德器とっき成就じょうじゅすすめテ公益ヲひろ世務せいむヲ開
キ常ニ國憲こっけん重シおもんじ國法こくほう遵ヒしたがい一旦緩急いったんかんきゅうアレハ義勇ぎゆうこう奉シほうじもっ天壤無
てんじょうむきゅう
皇運こううん扶翼ふよくスヘシかくごとキハひと朕カちんが忠良ちゅうりょうノ臣民タルノミナラス
もっなんじ祖先ノ遺風いふう顯彰けんしょうスルニ足ラン
斯ノこの道ハじつニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓いくんニシテ子孫臣民ノとも遵守じゅんしゅスヘキ所
之ヲ古今ニ通シつうじあやまラスこれ中外ちゅうがいニ施シテもとラス朕なんじ臣民トとも拳々けんけん
服膺ふくようシテみなその德ヲ一ニセンコトヲことねが

明治二十三年十月三十日
  御名御璽

国民道徳協会による対訳

 私は、私達の祖先が、遠大な理想のもとに、道義国家の実現をめざして、日本の国をおはじめになったものと信じます。
 そして、国民は忠孝両全の道を完うして、全国民が心を合わせて努力した結果、今日に至るまで、美事な成果をあげて参りましたことは、もとより日本のすぐれた国柄の賜物といわねばなりませんが、私は教育の根本もまた、道義立国の達成にあると信じます。
 国民の皆さんは、子は親に孝養をつくし、兄弟、姉妹はたがいに力を合わせて助け合い、夫婦は仲むつまじく解け合い、友人は胸襟を開いて信じあい、そして自分の言動をつつしみ、すべての人々に愛の手をさしのべ、学問を怠らず、職業に専念し、知識を養い、人格をみがき、さらに進んで、社会公共のために貢献し、また法律や、秩序を守ることは勿論のこと、非常事態の発生の場合は、真心をささげて、国の平和と、安全に奉仕しなければなりません。
 そして、これらのことは、善良な国民としての当然のつとめであるばかりでなく、また、私達の祖先が今日まで身をもって示し残された伝統的美風を、更にいっそう明らかにすることでもあります。
 このような国民の歩むべき道は、祖先の教訓として、私達子孫の守らなければならないところであると共に、このおしえは、昔も今も変わらぬ正しい道であり、また日本ばかりでなく、外国で行っても、まちがいのない道であります。
 私もまた国民の皆さんとともに、父祖の教えを胸に抱いて、立派な日本人となるように、心から念願するものであります。

明治23年10月30日
 大日本帝国 睦仁天皇陛下の御署名と御公印
明治神宮-明治神宮とは-

明治40年文部省公式英訳

Know ye, Our subjects:
Our Imperial Ancestors have founded Our Empire on a basis broad and everlasting and have deeply and firmly implanted virtue.
Our subjects ever united in loyalty and filial piety have from generation to generation illustrated the beauty thereof. This is the glory of the fundamental character of Our Empire, and herein also lies the source of Our education.
Ye, Our subjects, be filial to your parents, affectionate to your brothers and sisters: as husbands and wives be harmonious, as friends true; bear yourselves in modesty and moderation; extend your benevolence to all; pursue learning and cultivate arts, and thereby develop intellectual faculties and perfect moral powers; furthermore advance public good and promote common interests; always respect the Constitution and observe the laws; should emergency arise, offer yourselves courageously to the State; and thus guard and maintain the prosperity of Our Imperial Throne coeval with heaven and earth.
So shall ye not only be Our good and faithful subjects, but render illustrious the best traditions of your forefathers.
The Way here set forth is indeed the teaching bequeathed by Our Imperial Ancestors, to be observed alike by Their Descendants and the subjects, infallible for all ages and true in all places.
It is Our wish to lay it to heart in all reverence, in common with you, Our subjects, that we may all thus attain to the same virtue.

The 30th day of the 10th month of the 23rd year of Meiji (1890)
 (Imperial Sign Manual. Imperial Seal)

(櫻木)