政治

首相(政治家)は庶民派が望ましい、という意見がある。これが昔からよく分からない。
確か社会党あたりが好んで使っていたこの主張、おそらく
庶民派→税制や公共サービスなどで庶民を理解した政策を実行できる
という論法なんだろうけど、果たして首相にそれが必要なのか。

麻生首相は22日、毎晩のようにホテルのバーなどに通っていることに対し、野党などから批判が出ていることについて「これまでのスタイルだったし、これからも変えるつもりはない」と語り、「麻生流」を今後も貫く考えを強調した。

首相の1日の日程は、公務を終えると、帝国ホテルやホテルオークラなどのバーやラウンジに行ってから私邸に帰るという形がほぼ定着している。その理由について、首相は首相官邸で記者団に「たくさんの人と会う時にホテルのバーは安全で安い所という意識がある」と説明した。さらに、「自分の周りには30人ほどの新聞記者や警察官もいる。(店から)営業妨害だといわれたら何と答える? 今、聞いているんだよ。答えろ」と逆質問。「ホテルが一番、人から文句を言われないと思っている」と強調した。

民主党の簗瀬進参院国会対策委員長「本当の庶民の心は分からないのではないか。国民生活の基本的な情報からは遠ざかる」

社民党の福島党首「首相は毎晩毎晩、とても高いところで食事をしている。庶民感覚からものすごくかけ離れている」

公明党幹部「首相の行動は、国民にいい印象は与えない」

(2008年10月22日22時11分 読売新聞)
「ホテルのバーは安全で安い」野党批判に“麻生流”貫く : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

首相が庶民派である必要はない

確かに、例えば生活保護を給付する地方公務員などは、庶民の生活意識を持っていた方がいいかも知れない。(朝鮮ヤクザや在日利権者に金を渡しているようでは困る。)
しかし、首相には首相の地位と責任とがある。
国の未来に関わる政権の運営を担い、各国のトップと五分で渡り合っていく人間が、毎日スーパーで特売に並ぶ人間であってはむしろ困るのだ。
その辺を根本的に誤解しているから、前述のように民主も社民も公明も「首相は庶民感覚からかけ離れている。」「国民にいい印象は与えない」とか寝言をほざいているのである。こうして「庶民派」のような顔をして首相の悪口を言っていれば、自分たちは人気取りができると思っているのだ。つまり、我々国民はこいつらに馬鹿にされている

ホテルのバーはいいところ

今回の新聞記者の質問も、首相の足を引っ張ろうとして貴重な会見時間を浪費するだけの、実にくだらないイチャモンである。
じゃあ何か、首相が毎晩白木屋で飲んだら満足か?

しかもこの北海道新聞(らしき)記者は、「高級料亭で」「高級店で」などと印象操作しようとしているが、帝国ホテルのバーラウンジは「庶民派」でないものの、それほど高くない。ウィスキーでもカクテルでも、1杯1500円程度で飲める。落ち着いて飲める、いい場所だ。
(そもそも、番記者引き連れて市中の店に行くと営業妨害で迷惑と言われる、と言っているではないか)

首相官邸に住まないのはいけない

ただし、首相にも大いに反省すべき点がある。

それは、未だに首相官邸に入らず、飲んだくれて私邸に帰るところだ。
これについて朱雀式では、前総理の福田時代にも、なかなか官邸入りをしない首相を厳しく追及した。

首相官邸の役割

2002年の首相官邸建て替えでは、災害や戦争、テロなどの有事の際には、首相がいち早くリーダーシップをとり、迅速に指揮がとれるように、首相官邸には様々な工夫が凝らされ、爆撃や大地震にも対応できるよう、危機管理室は地階に設置されました。総工費は700億円とのことです。
危機管理意識のない首相 -阪神・淡路大震災から13年–朱雀式

やはり解散を見越しているのかどうかは知らないが、この点では麻生総理はまだ「総理になりきれていない」印象を受ける。首相官邸の空白は、政治空白の象徴とも言える。麻生総理には、総理としての自覚を持って、一刻も早く堂々と首相官邸入りしていただきたい。

(櫻木)