歴史と日本

麻生首相が郵政民営化の見直しを示唆して、話題を呼んでいます。
しかしこの話には、郵政民営化の問題とは別に、注目すべき一点があります。

郵政4分社化「見直す時」首相が言及「民営化に賛成ではなかった」

麻生太郎首相は5日の衆院予算委員会で、平成19年の民営化に伴い4分社化された日本郵政グループの経営形態について「4つに分断した形が本当に効率としていいのか見直すべき時にきている」と述べ、見直す可能性に言及した。

同時に「郵政民営化担当相は竹中平蔵氏だったことを忘れないでほしい。私は総務相だっただけで、ぬれぎぬを着せられると面白くない」と述べ、小泉純一郎元首相が郵政解散を行った17年当時、民営化に「賛成ではなかった」と説明。小泉構造改革については「改革のひずみに対応するため改革を深化させる。市場経済原理主義の決別というならその通りだ」と語った。

郵政4分社化「見直す時」首相が言及「民営化に賛成ではなかった」 (1/2ページ) – MSN産経ニュース

郵政民営化については、アメリカの日本改造指令『年次改革要望書』との関わりなどもあって、本当に日本臣民の得になるのかどうか、という議論が繰り返されていますが、郵政民営化の是非については、ここでは触れません。麻生首相の「姿勢のぶれ」等の批判についてもひとまず措いておきます。
大事なことは、

総理大臣は、過去の政権の政策や談話を否定することができる

ということです。
いわんや、単なる「談話」においておや、です。

「村山談話」は、社会党の党首が「私は~と思う」と発した談話に過ぎません。しかも「今日は閣議はないから議員は地元に帰られたし」などと嘘をついて、夜になってから突然発表した卑劣な政治談話です。
一体、こんなふざけた戯言を、代々の首相が“政府見解として”「踏襲します」等と言わなければいけない道理がどこにあるのでしょうか。

日本は未来永劫、中韓の属国か

三国志研究で知られる偽黒さんは、前エントリーのコメント欄で次のように指摘されました。

日本の場合は国際連盟の五大国の一角でありながらその体制を崩壊させて世界大戦を引き起こし連合国に討伐された謀反人という立場ですからね。
今の国際秩序の下では謀反を企んでないことをいつも立証しなきゃならない身の上にあるんだと思ってます。
しかも外様だし。
今こそ「村山談話」の見直しを | 朱雀式

なるほど、日本は長州藩であると。確かにそういう見方もできるでしょう。

しかし、限りない恭順が求められた敗戦後ならまだしも、村山氏が戦後50年経ってこのような陰謀を巡らせるまで、「談話問題」など存在しなかったのです。これは直接的な戦後体制の問題ではなく、いわば新たに作られた日本の国内問題で、しかもこれは確実に国の未来を誤らせるものです。

村山談話の否定によって、例え中韓・米国が反感を強めようとも、それを上回るメリットがあると思います。

日本は、討伐されて恭順の意を示す長州ではなく、黙って兵を錬る薩摩(=外交力のある国)であるべきです。

第2の敗戦が始まろうとしている

村山談話は、「昔の日本は間違っていた」とするものですが、その談話自体が致命的なマチガイでした。これは個人でもそうですが、問題なのは間違うことそれ自体よりも、間違いを正すことができないことです。
論語に曰く、「過ちて改むるに憚ることなかれ」と。

途中で間違ったことに気付きながらも、引き返すことが出来ない。間違いを認めることが出来ない。現実から乖離した前例踏襲絶対主義。
大東亜戦争の挫折、太平洋戦の敗因もここにあったはずではないですか。

日本はまたしても、情報戦という現代の戦争に敗れようとしています。しかも国民の大多数が、それに巻き込まれていることすら知らないままに。

(櫻木)