歴史と日本

勤労感謝の日の由来。そんなものはありません。
もともとこの日は、新嘗祭(にいなめさい・にいなめのまつり・しんじょうさい)といって、日本人の生活に密着した祭日であり、その信仰の象徴である宮中祭祀の中でも、最も重要な祭礼の一つでした。

「新嘗」とは、その年に初めて取れた穀物のことです。この日、神道を司る祭祀王たる天皇が国民を代表して、五穀豊穣、稲の豊作を祝って神に感謝を捧げます。農耕民族だった日本人にとって、神と天皇と生活と自分たちとが一体になる、宗教的、文化的に一年で最も重要な日です。

アメリカの蛮行


しかし戦後、日本を占領していたGHQは、とにかく国民と天皇との紐帯、また日本の歴史の伝統性の全てを敵視していました。「天皇を中心とした国民の一体感と、それを裏付ける歴史と伝統。この底力がある限り、日本はまたアメリカに牙をむくに違いない」と。

そこでアメリカがとった方策は、新嘗祭をはじめとする、日本の伝統的・宗教的な祝祭日の全てを廃止することでした。
これは、ピスペインのアステカ・インカ文明の破壊や、アメリカのインディアン虐殺、中共のチベット・ウイグル侵略に並ぶ、世界史上の蛮行です。
新嘗祭という大事な祭日は、アメリカの「労働の日(Labors Day)」と「感謝祭(Thanks Giving Day)」を混ぜ合わせた「勤労感謝の日」という、正体不明のキメラに作り変えられてしまいました。

以来、私達はこの11月23日が休日であることの意味も知らず、子供に教えることも出来ず、今に至ります。

祝祭日の正名化運動

皆さん、「勤労感謝の日」ではなく、「新嘗祭」と呼びましょう。
占領憲法の問題と同時に、こうした祝祭日の意味と呼び名を日本人の手に取り戻さない限り、日本は永遠にアメリカの属国のままです。歴史を喪失すれば、いずれその意味と伝統とを喪失した日本文明は、アステカのように滅んでしまうかも知れません。

(櫻木)