コラム

ディズニー・シーのニューアトラクション、『タワー・オブ・テラー』を試してきました。いつもながら感心してしまうのは、これはその純粋要素だけ切り出してみれば、「どこの遊園地にでもある何か」でしかない、ということです。

このアトラクションで言えば、中身はいわゆる“フリーフォール”、自由落下方の絶叫アトラクションです。

しかしそこに、設定(探検家の大富豪が立てた呪われた高層ホテル…)、背景(アフリカから持ち帰った偶像…)、物語(各階に停止して寸劇が展開する)などの要素を盛り込んで料理した結果、確かに誰も見たことのないような面白アトラクションに仕上がっているのです。

あと、設定から小道具やセットを含め、細部の細かさが尋常ではないんですね。「神は細部に宿る」等と言いますが、まさにこれ。子供だましのありがちな設定(失礼)だとしても、ここまで丁寧に作りこまれると、進んで騙されよう、という気分になり、いつしか本当に引き込まれます。

お菓子の世界では、グミを最後として、もう新しいお菓子は存在しないと言われています。考えてみれば確かにグミ、飴、チョコ、クッキーなど、お菓子の根本アイデアというのは出尽くしています。あとは、それらをどう組み合わせて、どう再構築して新商品を作るか、という世界なのです。

同じように、既に提示されている情報、既存のアイデアをどう料理するか、いわゆる企画力というのは、多少なりともクリエイティビティが要求される仕事には欠かせません。昨日の「面白いブログ記事の作り方」(テキストサイト精神)にも通じます。ディズニーリゾートにいくと、いつもながらあらゆる点でのクオリティの高さにうならされ、実に勉強になるのです。

(櫻木)