二人で桜を見に行ってきました。場所は東京、井の頭公園。
この日も薄曇りの肌寒い日だったけど、雨は降らなかったし桜はきれいだったしで、まあよしとしましょう。
僕らが座っていた柵(シートがなかったので柵に腰掛けていた)の近くに、旅芸人のような一座がいました。
一座は、一見したところ30~60歳くらいの年齢層普通の人たちなんだけど、なぜか手に手に変わった楽器を持っているのです。三線、不思議な打楽器、バイオリン、ギター、などなど。
それぞれが酒を飲みながら沖縄の音楽(島唄とか)を奏でていて、なかなか良い気分になれました。いつしか小さな人だかりができたが、現代日本の常として、携帯カメラで勝手に写真を撮りだす人がいてハラハラしました。
そこへ今度は観光客風の二人組みの外人男性がやってくると、携帯カメラどころか、ソニー製の巨大なビデオカメラを取り出して接写し始めました。
なんという傍若無人な振る舞い! と憤っていましたが、集音マイクまで登場するにいたって、素人ではないことに気づく。後で逆取材してみると、中東はカタール、アルジャジーラのTVクルーでした。
かくしてこの演奏会が、中東全域に「日本の花見の風景」として中継されることになりました。醜い泥酔嘔吐模様のほうのフィルムが使われないことを祈ります。思えば、花だの月だの自然を眺めるだけで、国を挙げて酒を飲むほど風流な国は日本だけではあるまいか。
その後、桜モチーフの指輪を買い、恋人の友人と合流して夜桜も鑑賞の桜三昧。大勢で集まれる花見も楽しいが、こういうのもいいものです。
(3.31)
(櫻木)