歌人の穂村弘氏が、読売夕刊で女心を全力で調べていました。その歌人らしい質問と、身も蓋もない回答の対比が面白かったのでちょっと引用メモメモ。男子諸君、メモの用意を。
すべて、男性(穂村氏)から女性(読売新聞調べ、91人)に向けた質問です。
1.特になんとも思っていない相手から「好きです」と何度もアピールされることによって、その人をだんだん好きになることがありますか?
あるが4割、ないが6割。特徴としては「ない」と答えた人の口調の強さというか確信ぶりだ。「絶対ない」「ないない、気持ち悪い」などの断言が多かったのだ。「『特になんとも』のレベルにもよる」という冷静な答えもあった。
これはねぇ…。男にとっての神話というか、武田鉄也のプロポーズのように、あきらめずにがんばれば何とかなる!という伝説や、「繰り返し触れることによってその対象が好きになる」という心理学の法則が、有史以来数え切れぬ男子中学生を救済してきたはずなんですが…。
2.私の友人に、恋人の所有していたアイドル写真集を全部捨てさせた女性がいるのですが、どこからが浮気だと思いますか?
「ふたりでご飯を食べに行って(ここまではよい)、それを画したら浮気」(30歳、編集者)。同様の回答がいくつかあって、鋭いなあと感銘を受ける。「ここまではよい」というフレーズが怖い。でも、かっこいい。
私の友人に、「元モーニング娘の石川梨華の写真集を持っていることがバレたら、新婚の妻が押入れに半日閉じこもって口もきいてくれなかった」という恐怖体験をした人がいますが、それはさておき。こういうこというとアレですけど、やっぱり女性と男性って浮気への取り組み方が違うんだろうなと思っています。生物学的に。
3.恋人や好きな人に言われた中で、今まで最も感動した言葉は何ですか?
その場の状況とセットで考えるべき例が多かったが、「鼻水のませろ」(19歳、大学生)などはタイミングによっては感動的なのがわかる。ただ「分かれたらその感動ってなくなりますよね」(20歳、大学生)的な意見がいくつも見られて驚いた。なんというリアリズム。女性の心の中には「思い出アルバム」はないのでしょうか。死ぬ前にそれをめくって一生を振り返りたいなどというのは男のフェティシズムと心弱さの表れか。
「鼻水のませろ」すごいですねこれ。あと、男子は常に即物的かつ権威主義かつ収集癖があるので、過去にすがらないと…いや、過去を大事にするロマンチストが多いのだと思います。「なんでも鑑定団」に出てくる珍妙なコレクターって100%男ですよね。
4.これをされたら、もしくは云われたら、その相手のことを一発で嫌いになるというレッドカード的な言動は何でしょう?
圧倒的に多かったのが「煙草を投げ捨てる」「路上にツバを吐く」「店員さんに偉そうにする」「舌打ち(誰にしても×)」など。公共性やマナーの感覚の中に相手の本性を見るということか。
ザ・DQN。暴力とか、直接傷つけるような言動はあまり回答になかったそうです。
5.女性に向かって、好きな異性のタイプを訊いたり、異性のどんなところに惹かれるかたずねると、しばしば、「意外性のある人」とか「ギャップを見たとき」という答えが返ってくるのですが、私には「雨の夜道で子猫を拾う不良」みたいなイメージが浮かぶだけで今ひとつぴんとこないのです。このギャップや意外性の具体例や、なぜ、それが魅力的なのかについて教えていただけませんか?
「意外性があることで相手が自分の頭の中だけの人物ではないことを確認するというか」(25歳、学生)という呟きに深く頷く。「相手が自分の頭の中だけの人物ではない」のは当たり前と思える人にはぴんと来ないかもしれないが、オタク度の高い私にはこの感覚はよくわかる。現実のはるか手前で脳内のファンタジーにどきどき、で、それが破られることでさらにどきどきするのだ。
6.恋愛的な面に関して男性への疑問や聞きたいことがあればお願いします。
切実感のある回答が多く寄せられたが、最も印象的だったのは「なぜ男性は」(32歳、会社員)というもの。ここでぷっつりと言葉が切れているのだ。
そのあとに続く純白のスペースへの身投げとも思える恋への挑戦者に幸あれ。
なんだかこうしてブログに引用すると、バトンみたいですね。今夜の更新のネタがない人はどうぞ持ってってください。
じゃ最後に僕も一句。
フェルマーの 残した謎より その心
一生かけても 解けるものかは
――朱雀
(櫻木)
女心、わからないですねぇ……
5つの質問、自分もちょっと考えて見ますね。
とけたのはきみへの思い白雪も今はぬかるみ足を取られて(岡本雅哉)
おお、さすが本物は違う…。わざわざの歌の投稿ありがとうございます。