先月、惜しまれつつ閉館となった横濱カレーミュージアム。『フードテーマパーク』と銘打ち、カレー専門店を集めた、カレー好きにとっての桃源郷だった。失意のどん底に叩き落された僕の元に、新しいカレースポットの情報が飛び込んできた。
さっそく例によってターバンを巻き、彼女にサリーを着せて駆けつけました。
オシャレだけど…
店内に一歩足を踏み入れると、カレーのスパイシーな香りと、近未来スポーツバーのようなオシャレなカウンターが広がっていた。(写真参照)
「なんか、無駄にオシャレだね…」
「うむ。おそらくオシャレにしないと、ココイチになってしまうからだろう。」
公式サイトには、
東京カレーラボ」プロジェクトには日本を代表するクリエイターが参画しています。 総合企画は放送作家として「料理の鉄人」「世界遺産」等のヒット番組を手がけ、多方面で活躍されている小山薫堂氏。メニュー開発は「東京カリ~番長」。全国各地で出張料理イベントを行い、カレーに関する多くの著作で知られる男性4人組のユニット。アートディレクションはNTTドコモ「iD」「DCMX」、森美術館「東京-ベルリン/ベルリン-東京展」、「ラーメンズ」等を手がけ、国内外の多数の受賞歴を持つ水野学氏。インテリアデザインは独自のバランス感覚とデザイン構築力で海外からの評価も高い ワンダーウォール片山正通氏らがそれぞれ担当し、強力なコラボレーションにより展 開していきます。
(東京カレーラボ)
とある。確かに色々とこったのだろう、カウンターにはそれぞれ小さな液晶モニタが埋め込まれて、オシャレ映像や『世界遺産』が流れている。カウンターには、カレーのうんちくが英語でスタイリッシュに書かれた、紙製のランチマットがひとつずつ敷かれている。
ここがへんだよ
味の方も、ちょっと量が少ないことをのぞけば、申し分のない良いカレーだった。コクがあって、まろやか&スパイシー、日本人の口に良く合う味だ。ちょっと値段は高め(1000~1200円)だけど、企画やマーケティング段階でおそらく相当の資金を使ってしまっているだろうし、東京タワーは意外と出店料がかかりそうなので、まったく文句はない。
しかし、紙製のランチョンマットを使いまわすというのはどうだろうか。前の客がちょっとこぼしたカレーや、水を置いた後のしわしわがそのまんまなんである。いくらなんでもこんなところでコスト切り詰めないでほしい。ランチョンマットといっても、マクドナルドのトレーに敷いてあるような紙ですよ、紙。
そして、メニューに
「カレーに最も良く合うビール(ブラウンエールビール)を独自に開発しました」
と書いてあるので、わくわくしながら頼んでみたら、出てきたのは、おなじみ舞浜イクスピアリのオリジナルビールではないか。僕は「地ビール」「オリジナルビール」と名の付くものを見かけたら必ず飲むようにしているのだが、こんな騙し討ちを食らったのは始めてである。
意地悪をするつもりはなかったのだが、ちょっと聞いてみた。
「すいません、これってここの独自開発なんですか?」
「いえ、そちらはハーベストムーンと言いまして、イクスピアリでも出してる独自のビールですね」
「ここの開発ではない?」
「そう…ですね、はい」
ラボ(実験室)の名が泣くとは思わないのだろうか。
カレーラボは未だ実験中?
- 衛生管理を徹底する
- メニューに嘘をつかない
これは、僕が考える”最低限守って欲しい飲食店の原則”である。どんなに内装や素材に金をかけても、こういう根本的なところで手を抜いてしまってはもったいないではないか。
とは言うものの、オープンしたてだし、「ラボ(実験室)」ということで、
「カレーの研究開発を行い、研究成果としてのカレーを随時発表する」(るるブログ: 東京タワーでカレーの研究開発?「東京カレーラボ」誕生!)
とのことである。インドカレーでも欧風カレーでもない、あくまで日本の国民食としてのカレーを研究開発するという、その志は評価したい。
まだほかにも色々と未整備の部分があるのかもしれないが、どちらも注意しておいたし、今後改善されればいいなあ、と思う次第だ。改善されないとしたら、研究以前の問題である。
(櫻木)
でもカリー好きな僕は食べに行きたい。首都圏の人がうらやましいのでした・・
味はなかなかいいですよ、味は…。
遠方から来るほどではないですが、上京して機会があったら行かれてみてもいいかもしれません。