職業に貴賎なし、というが、やはりあれはタテマエの理想論なのではないか。無論、中には立派な人もいるのだろうけど、これは突撃ってレベルじゃネーゾ？

―お二人は、避妊という事は考えなかったんですか？
「えっ？」
―避妊は考えなかったんですか
「…まぁ、恋愛の結果生まれた生命なので、本人達は大切にしていきたいと考えています。」

順序はどうあれ、「おめでた」で、結婚しようとしている二人にする質問じゃないだろう。なんと下種なリポーターか。

この質問は、どう答えても爆発するようにできている、実に底意地の悪い質問だ。

―避妊しなかったんですか？
「してませんでした」
「してたけど失敗しました」
「ひにんってなんですか？」
普通に応えれば、どれをとっても大失敗、ことさらにセックスの連想のみを喚起させ、イメージダウンを誘う質問だ。

杉浦太陽の答えについて、「避妊と中絶の区別が付いてないんじゃないか？」という指摘もあるが、ゲーノージンとは言えさすがにそれはないだろう。あえてコンドー…いや、混同気味に語ることによって、道義的に優位に立つ模範解答だったと思う。

それにしても、妊婦に対して「避妊しろ」とは、本当に非道い。

そりゃあ、好奇心や多少のゴシップ趣味は多くの人にあるだろう。しかし、だからと言って生まれてくる命を全否定するような質問を薄ら笑いを浮かべて彼らに投げつけるほど、それは重大な使命なのか？ それほど芸能リポーターは崇高な職業なのか？

（櫻木）