はてなが、「はてなスター」というサービスを始めました。はてなダイアリーの記事タイトル部分の横についている☆がそれです。はてなブックマークよりももっと軽い、WEB拍手的な人気投票風のサービスです。
はてなスターは、既存のブログにワンクリックで☆が付けられる、あなたのブログをもっと楽しくするサービスです。はてなダイアリー以外のブログサービスでもご利用になれます。
(はてなスター)
とのこと。TwitterのFavoriteボタンのインスピレーションですね。コメントよりもはてなブックマークよりも、とことん敷居を下げた読者からサイト作者へのリアクション。WEB拍手にも近いのですが、基本思想がブログ持ち同士(はてな市民同士)だから、交流(くねくね)性も強めな感じです。
はてなブックマークの流行は、情報の流通の加速化と同時に、ブックマークスパムや、「ネットイナゴ」のようなネガティブコメント、「死ねばいいのに」「これはひどい」などのディス系タグによる「ウォッチ気質」が批判される部分もありました。
おそらくはてなサイドでも、この辺りを多少気にしていたのでしょう。そこではてなBをどうにかするのではなく、新しいサービスを投入してきた、と。
開発者による、サービス開始宣言がこちら。
はてなは日本のブログブームのさきがけとして、2003年1月よりブログサービス「はてなダイアリー」の運用を行ってきました。この運用の中で、 30万人のユーザーが使う巨大サービスとして成長してきました。しかしその一方で、はじめてブログを開設された方の中には、何を書いて良いか分からず書くのをやめてしまったり、他のユーザーの心無いコメントによって心を痛めてしまったり、スパム行為にうんざりする、という出来事も頻繁に発生しています。こうした現状の中、より閉鎖的な空間で安心してコミュニケーションを行うことができるSNSサービスが人気を集めています。
はてなではこれらの状況を踏まえて、「ブログサービスはまだまだ発展途上であり、より快適に利用できる仕組みへとブログを進化させなければならない」という結論に達しました。オープンな空間に文章を書くことの素晴らしさを多くの人が体験しないまま、ブログをやめてしまったり、閉鎖的な空間に閉じこもってしまうのではなく、その素晴らしさを誰もが簡単に感じることができる仕組みと場を作り上げていくことが自らの使命であると考えます。(はてなスター日記)
確かに、いまや多くの人がmixiなどのSNSに「引きこもり」状態になってしまって、多くの日記書きがその才能をあたら無駄遣いしている。I倉、K也など、外で書いていてくれれば、という惜しい日記書きは沢山います。思うに、mixi日記は書き損であり、才能ある書き手がmixi日記を書いて外部ブログを書かないのは、日記界の損失であります。
はてなスターの開発の背景思想はこちら。
その取り組みの第一弾として、今回のはてなスターを開発しました。はてなスターでは基本的に他人を褒めることしかできません。コメントをつけるにはともだちになる必要があり、ブログを読む人の9割が「面白い」と感じているの に、実際に目に見えるのは残りの1割の人の批判的な意見ばかり、というような事は起こりにくくなっています。また、オープンな空間に部分的な閉鎖空間を偏在させることによって、良質なコメントのやり取りができるようになると考えています。(はてなスター日記)
アニさんは、この「はてなスターでは基本的に人をほめることしかできません」の部分に
思想を感じるぜ!(おれはおまえのパパじゃない)
と反応していますが、僕はむしろこの「俺がやらねば」という使命感に惹かれました。能力のある人間、それをすることのできる立場にあるものは、それが正しいと信じたならば百万人が敵でもやらねばならんのです。それが武士道というものです。
実際、開始そうそう、このサービスにはずいぶん批判の声も集まっています。その代表的なものは、というかほとんどは
「いきなり変なもんはじめるな」
「削除できるようにしろ」
「付けるかどうか選択性にしろ」
というもの。
シナトラさんはこれに
拒否反応のなかみ――世の中には評価されたい人とそうでない人がいる
ブックマークとの感覚の違いとしては、ブクマのほうは「はてなブックマークという世界での出来事」として捉えられているのに対して、はてなスターのほうは
1. いきなり無断で
2. 自分の世界(畑)に
3. 根をはって、引っこ抜けない
という、「自分の管理領域であるはずのところに管理できないものが入りこんだ不快感」をもって受け止められたように見える。
(シナトラ千代子 – 「はてなスター不要というユーザーよ、はてなを去れ」とjkondoは言った)
という分析をしているが、でもなんかこれはたから農村を見てて思うのは、これが勝手についてるのって「はてな市民」でしょう。市民が街の仕様に従うというか、生徒が校則に従うようなもんなんじゃないでしょうかね。いきなり制服がダサくなっちゃった、バッジを付けるのが義務になった、みたいな感じで怒っているのだな。
コメントの中に、☆を消したい、というご要望を多く頂いておりますが、当面☆を削除する機能はつけずにいこうかと思っています。
ブログのエントリーは次々に流れていきますし、挨拶のようなものであるとお考え頂ければ幸いです。
(はてなスター日記)
しかし、この発言はいただけない。なんだこのブログ蔑視は。世の中のブログの全部が、犬のなりきり日記や食べ物ブログばかりではないのだ。寝食を削って、勝手に使命感を持って毎回本気のエントリーを投稿しているブログだって沢山ある。
まあ、ブログの本気度やエントリーの質と頻度は別の話なので、どんな気合の入ったブログでも毎日更新されていれば次々に流れていく。しかしこの表現の裏側には、「どうせ書き捨てていくもんなんだからそんな目くじらたてなさんな」という思想が見え隠れしてならないのだ。
でも新し物好きの僕は早速導入してみました。僕は他校生なので、逆にそのバッジがうらやましくなってしまうのです。
(櫻木)
日記界の損失だ
「能力のある人間、それをすることのできる立場にあるものは、それが正しいと信じたならば百万人が敵でもやらねばならんのです」
「能力のある人間、それをすることのできる立場にあるものは、それが正しいと信じたならば百万人が敵でもやらねばならんのです」