コラム

どんなに疲れていても、どんなに快適な寝具を使っていても、一匹耳元に出現しただけで、即座に夢の世界から引き戻されてしまう恐怖の害虫。それが蚊である。

夏ももう終わりに近いが、まだまだ蚊がその猛威を振るっている。蚊は、刺されるとかゆいし、出現すれば夜も眠れなくなるし、東南アジア圏ではマラリアやデング熱を媒介するし、最低最悪の害虫である。

そこで今日は、この憎っくき蚊にどうやって対抗するか、主にその直接的撃退法について、攻略法を説明したい。


まず始めに断っておくと、ここで紹介するやり方はどちらかというと男性向けである。が、女性にもできないことはないので、2を中心にマスターして、モスキートハンティングの道を究めて欲しい。

1.体毛で感知する

人によって個人差はあるが、人の体表には基本的に毛が生えている。これが、蚊と戦う際には重要なセンサーとなるのだ。皮膚に蚊が止まった場合にはなかなか気付きづらいが、体毛は場所によっては直接皮膚に触れるよりも数倍鋭敏な触覚を持っている。すね毛は密度が濃いが、その分そもそも蚊が上手く止まれずにいなくなってしまったり、すねの感覚が鈍いので気付かなかったりすることもある。場所としては上腕がベストである。
女性の場合、手足の毛を処理している場合が多いので、この手段が使えないことが多い。

2.引きつけて倒す

硫黄島の水際戦の如く、とにかく蚊はギリギリまでひきつけて倒すことが大事である。自分の周囲から30cm以上離れているところを飛んでいるところを発見したときならいざ知らず、体の周りを飛びながら止まり場所を探しているようなときには、慌てて「パン!」とやらずに、じっと観察することだ。この段階になったら、十中八九、蚊はどこかに着地する。

まだだ。まだ叩かない。蚊は、目的地に着地してから吸血を始めるまで、5秒くらいはかけるのだ。蚊にとって、もっともやられやすい危険な時間帯は、まさに血をすっているその瞬間だ。これを避けるために、まず蚊は最初の2秒くらいは何もせずにじっとしている。この間に、相手の体が少しでもピクリとしたら、すばやく離脱するためである。ここで反動をつけて叩こうとすると、たいていの場合逃げられる。
次に蚊は、なんだか足場を確かめるようにすこしもぞもぞと手足を動かす。同時にこれはおそらく、刺した瞬間に気付くほど感覚の鋭敏な場所・相手ではないことを確かめているのだろう。この段階でもできれば動かず、じっと我慢する。

次の瞬間、蚊が針を刺す…。ここ!ここで叩く。叩く際には、蚊の斜め後ろから手を持っていくのがいい。それも7~10cm程度の距離から、反動をつけずに手のひら全体で吸い付くように叩く。こうすると、蚊に逃げる隙はほとんど与えることがない。

ただし、刺す寸前ならいいが、刺された瞬間かそれ以降だったら、既に蚊の痒い痒い毒が注入されているので、あとで痒くなる。しかし、その後何時間も蚊の脅威におびえ続けるよりも、ちょっと一箇所刺されても確実に仕留められる方がいいと僕は思う。まさに見蚊必殺、肉を切らせて骨を絶つ戦い方だ。

3.蚊を縫い付ける

特に上腕に蚊が止まったときに使う、モスキートハンティングのエキスパート向けの技。2と同じくギリギリまでひきつけ、蚊が刺した瞬間に、上腕に渾身の力を込める。すると、筋肉が締まって蚊が刺した口が抜けなくなり、蚊は口を固定されて飛べずに、必死でもがくことになる。あとは叩くなり指で潰すなりでこピンで吹き飛ばすなり、いくらでも料理ができる。ただしこれも1回分は刺されるので注意。あと、皮下脂肪や筋肉量の関係上、このやり方は女性には向いていない。男性でも体脂肪率が16%を超えると難しいだろう。

(櫻木)