メンズナックル

最近発掘されて局所的な話題と人気をかっさらった、DQN系ファッション雑誌『メンズナックル』のコピーですけれども、「本当に毎号あんなテンションなのか」というのを確かめるべく、最新号を買ってきました。

もうね、目次の特集タイトルからしてヤバい。

~知っているか? ゴールドを粋に見せるだけで女がオチるってことを!~
●伊達ワル”ゴールド”で男のエロスを覚醒させろ!

~いつだってエロくなきゃ伊達ワルとは言えない~
●ストール&ネクタイが今季確実にモテる男の条件だ!!

~この冬、勝ちたい男にささげるワルモテJKT特集~
●激ワル!激モテ!ジャケット50

知っているか…?という自信150%なこの問いかけ。もちろん僕は知りませんでした。あと、「エロくなきゃ…」のくだりは新鮮というか衝撃というか、彼らは「エロい」というのを褒め言葉として使っているんですよね…!かなり付いていくのが難しい言語感覚ではあります。

あと、こうした特集ページにも、ところどころにキラリと光るメンナクフレーズがあるんですけど

例:「シブヤという街が俺を介して再び凶暴になる
ライダースを着ると女達の視線がうざったくもなる

でもこの雑誌の本領はやっぱりストリートスナップですね。特集の方は「女」「モテ」を意識しすぎる傾向があるというか、エロい。これはその辺で捕まえた読者モデルに、エロいコピーをかぶせるわけにいかないという配慮なのかもしれませんが、ストリートスナップのコピー(ポエム)は、モテとか全く関係ない、純粋に中2的な「カッコよさ」を追及している感じが、すごく、すごいです。

以下、名作抜粋。


・伊達ワル界に下克上は無ぇ。何故なら俺は超えられないからさ。
・夜のとばりが降りる前に俺の胸まで飛び込みな
・このベクトルが俺の生きるべき道を指し示す
・秘めた野獣の開放が俺を1人の獣に変える!
・日常の全てが俺には伊達ワルカスタムの宝庫
・熱くほとばしる伊達ワルの血を赤に宿して
・小細工であがく暇があったらマストを極めな!
・出てくるものは全て打ち落とす怒涛のアクション

男子として生まれたからには「下克上は無ぇ。」って一回でいいから言い切ってみたいものです。なぜなら敵は本能寺だからさ。かっこいい…。でも名前は「おっぱっぴー はしば氏」なんだよな。
あと「怒濤のアクション」というのがよくわからないんですが、この人はゲーマーなんでしょうか…。


・流れるようにストリートに漂うマイ・スピリッツ
・これが真の海賊魂というモノだよ、諸君。
・断言しよう。伊達ワルは本場でも通じると
・自分に酔えない奴は二流。オーラは内側からじゃ!

何でか分からないんですけど、メンナクの人は海賊が好きですね。まさか現代日本で真の海賊魂が見られるとは思わなかったので、得した気分です。
あと「本場」っていったいどこを想定しているのかさっぱり分かりませんが、通じるんです、きっと!


・この瞬間、世界の中心は間違いなく俺
・磨き続けた己に伊達ワルの神は裏切らない
・俺の心を癒してくれるエターナル・ロック
・もう俺には立ち止まってる暇などない
・ストリートには己の絶対をかける価値がある
・ちょっとガキどもに“大人”を教えてやろうか
・この世の全てを貫く破裂の白騎士

「伊達ワルの神」ってどんなんですかね…。ヒゲとか生やしてるのかな。ちょっと大人で、レザーのジャケットとか着てワイン通で…ってそれじゃあ「ちょいワル」なのであった。
「白騎士」「黒騎士」「堕天使」系のコピーには外れなしですね。


・戦い抜いたその先に欲しいものがある
・黒の魔力の引き出し方が知りたきゃ俺を見な
・レアでモダンなセクシャル感を完全マスター
・陽光に瞑するマッド・ロックの休息
・飽きることなき漆黒の堕天使の誘惑
・千の言葉より残酷な俺という説得力

「レアでモダンなセクシャル感」!このフレーズの破壊力の前には、スイーツ(笑)とかライフハック(笑)なんていう半笑いネタは一瞬で吹き飛びますね。
あと「マッドロック」もメンナクの得意フレーズです。どんなロックなのか、言葉の意味はよく分かりませんが、とにかくロックです!
そして今月のMVP。「千の言葉より残酷な俺という説得力」。

雑誌の後ろの方の広告は、ほとんど全てホストクラブの広告と出会い系の広告で占められていました。出会い系はともかくホストは何、リクルートのようです…。
ともあれ、「ホスト系」「お兄系」というトホホな感じの呼称しかなかったこの辺のファッションに、「伊達ワル」というジャンル名を冠することに成功した(?)のもメンナクの功績だとは思います。とちょっとElasticっぽく(?)まとめて終わります。

追記。
『メンズナックル』1月号もやっぱりガイア
やったーメンズナックルジェネレーターできたよー(^o^)ノ ガイア(笑)

(櫻木)