この季節になるとよく、「いくつまでサンタクロースを信じていたか」という話題が人々の口に上ります。
この質問、実にナンセンスだと思うのは僕だけでしょうか。だって、信じるも何も、サンタクロースはいるに決まっているじゃないですか。なぜって、この僕がサンタクロースその人だからです。あの子もそうです。僕もあなたも、みんなサンタクロースになり得ます。
幼い頃、枕元に置かれていたおもちゃは、親からの贈り物でした。それは、サンタクロースというイメージを媒介にしたものでありつつも、親から僕らへの愛情でした。
この、「自分にとって大切な存在に贈り物をする」、という行為そのものが、サンタクロースという存在であり、日本にもこれだけ広くクリスマスという祝祭が定着した要因だったんじゃないかと僕は思うのです。
親からプレゼントを貰っていた少年は、いつしか大人になり、自分が大切な人にプレゼントをするようになる。
やがて家庭を持ち、子供が生まれたら、その子のサンタになることでしょう。それがサンタクロースという物語であり、その環はどこまでも断たれることがないのです。
あなたは今年、サンタクロースになれましたか?
(櫻木)