テルミンという楽器をご存知だろうか。ロシアの科学者、レフ・セルゲイビッチ・テルミン博士が発明した、世界初の電子楽器である。この不思議な楽器は、その本体の一切に触れることなく、楽器とそこから突き出たアンテナの上に手をかざすことによって、独特の電子音が流れ出す。
その原理はというと、
テルミンの原理
テルミンの音程を生成する部分にはコルピッツ発振器のような高周波発振器が2つ組み込まれ、これらはわずかに違う周波数を持つよう調整される。 これらの発振器間のうなりによってより低周波の可聴域の波を発生させ音に変換するのがテルミンの原理である。
…というものだが、一読してもなかなか分かりづらい。要するにアンテナに手をかざすと周波数に影響を与え、それによって音程も変わる、と。
テレビなどでその不思議な演奏風景を見たことがある人もいるかもしれない。音楽界では異端の楽器として、物好きなミュージシャン達に愛好されてきた。有名なところでは、LED ZEPPELINの『Whole lotta love(胸いっぱいの愛を)』で、ジミー・ペイジが間奏で使っている不思議な音色がテルミンである。
と、いうわけでですね。この露西亜製の不思議な楽器に昔から心惹かれてきたわけですが、何しろ高い。そして入手困難。初心者向けのベーシックなセットでも10万円近くするし、場所も取るしで、素人が一寸遊びで手を出すには敷居が高すぎるというのが現実。
しかし、iPod miniよろしく、テルミンminiというものの存在を知りました!
学研が出している、大人向けの付録つき学習雑誌『大人の科学』の9月に発売された号がそれ。テーブルサイズのミニなテルミンが付いて2000円ちょっとというのは破格といえるのではないでしょうか。この号は発売と同時に品切れに鳴ったようですが、再販がかかって1月1日からまた販売されるようです。Amazonで普通に売られていることを確認。今予約しておけば、最高のお年玉プレゼントになります。将来壊れたときのスペア、あるいはプレミア転売を目論んで2個3個と買ってしまいそうになりましたが、その分欲しい人の手に渡りづらくなる、ということを考えてじっと我慢。「自分さえよければいい」という考え方は武士にあらず。
それにしても楽しみです。今から練習する曲目を考えておこう。うまくできたら、ニコニコ動画に投稿しよう。
学研の公式サイトには、テルミンminiを使って演奏した動画が後悔されています。「2000円程度のテルミンでどの程度の音が出るの?」と思いましたが、使いこなせばここまでできる!という動画です。
テルミンminiを弾きました | 特集記事 | 大人の科学.net
(櫻木)