コラム

コラム・断。 僕は騒音が嫌いだ。人に騒音を立てられるのも嫌いだけど、自分でもなるべく立てないようにしたい。例えば自分がニンジャだったらどうする。敵方の城に忍び込んで天井裏に潜んでいるときなど、わずかでも音を立てればたちどころに槍で串刺しになってしまうだろう。

そこで以前から気になっているのが、電車内での騒音にどう対処するか、である。

電車の騒音と言っても、走行音はどうしようもない。というよりあれは外で聞いている分には大騒音だけど、車内では1/fゆらぎの子守歌である。むしろそれで眠り込んでしまったオッサンのいびきがうるさいぐらいだ。

ヘッドホンの音漏れ

それより気になるのが、シャカシャカ人間の騒音である。白い耳栓を着けて、そこからひもを垂らし、シャカシャカシャカシャカと雑音をまき散らしているアレ。どうにかならないものだろうか。あまり移動できない混んだ車内で自分の真横にいられたりすると、耳障りでしょうがない。時折、車両の端から端まで聞こえそうなくらい盛大に音漏れしている者もいる。

これは電車の中でポータブルプレイヤーを使っている人全員に知っておいて欲しいんだけど、密閉型のヘッドホンかカナル(耳栓)型のイヤホン以外のものを使っている場合、あなたは間違いなく音漏れして周囲に迷惑をかけている

この間なんて、ノイズ漏れどころか、曲がそのまま聞こえてきた。何事かと思ってそいつを見てみると、こうなってた。

ニットキャップの上からヘッドホン。

いやいやいや。面倒くさかったのか、髪型がつぶれているのが嫌だったのか知らないけど、それじゃあ自分も聞こえづらいだろう。

どうやって気付かせるか

わざとヒップホップを大音量で流しているDQNカーや、軍歌を大音量で流している擬態右翼カーみたいに、彼らも自己主張でやっているのかと思ったけど、どうもそうではないようだ。ただ単純に、自分がどのくらい音をジョロジョロと漏らしているか、気付いていないのである。

時々、あまりにひどいときにはそいつの顔とイヤホンとをじろじろ険しい眼で見比べてアピールしてみたりするのだが、気付かれたためしがない。視線に気付いたとしても、「何か変な奴がガンつけてくるな…」という戸惑いしかなさそうだった。

「あの…音漏れしてますよ。」とそっと耳打ちしようにも、相手はそもそも耳栓をしているので、一度触れてそれを外してもらうという、(トン、トン)「…は!?」「あのー、」という手順を踏まなくてはならないので、どうも敷居が高い。静まりかえっている上に混雑している通勤電車ではそもそも会話が成立しにくい。

そこで今考えているのは、カード方式だ。あらかじめ、「音漏れしています」「ボリューム下げてください」といった内容を書き込んだカードを用意しておくのだ。
これなら、スッと目の前に差し出すだけで要求が伝わる。サッカーの審判よろしく、騒音の度合いに応じて赤や黄色にしてもいいかもしれない。

(櫻木)