教育問題

日本の子供たちの自己卑下の意識が強いことがアンケート結果から実証され、東京都の小学校で試験的に「自尊教育」という試みが始まるそうです。

日本の子供たちは自分が嫌い-。東京都教育委員会が公立の小中学生、都立高校生を対象に「自尊感情」について調査したところ、中高生の5~6割が「自分」を好意的にとらえていないことが10日、分かった。日本の子供たちの自尊感情の低さはこれまでも指摘されてきたが、自治体レベルで大規模な調査が行われたのは初めて。都教委は現状を深刻に受け止め、「自分の存在や価値を積極的に肯定できる子供を育てる」とし、4月から小学校で試験的に“自尊教育”を実施する。
小学生では、小1の84%が肯定的な回答をしたが、学年が上がるにつれてその割合は低下し、小6では59%となっている。

このほか、国内外の青少年の意識などを調査・研究している財団法人「日本青少年研究所」の国際調査(平成14年)でも「私は他の人々に劣らず価値のある人間である」との問いに「よくあてはまる」と回答した中学生が、アメリカ51・8%、中国49・3%だったのに比べ、日本は8・8%と極端に低かった。

自尊感情が低いことについて、同研究所の千石保理事長は「謙虚さ、控えめを良しとする日本の文化がまだ根強いのが一因」と指摘。「子供が成績を他人と比較して、すぐに『自分はダメだ』となる傾向も見られる。これは日本だけの特徴で、諸外国に比べて自己評価が低い。もっと自分に自信を持たせるような教育を進める必要がある」と話している。

都教委も「自分のことが嫌いでは、学習意欲もわいてこない」と自尊感情の大切さを認識。試案ながら、「自分への気づき」「自分の可能性」などの観点で教員が子供の自主性や個性を積極的に評価し、失敗や間違いが大切な経験であることを強調する指導モデルも作成した。都教委は今後、具体的な指導方法について国内の大学と連携して研究を進め、4月からは小学校1校で試験的に“自尊教育”を実施する予定だ。
都教委、小学生に“自尊教育” 中高生の半数「自分に否定的」(産経新聞)

このニュースタイトルで僕はまず「自虐教育の見直しの話か」と思ったんですが、それとは関係なく、「自尊教育」という新しいコンセプトで、子供の自尊心を培うためのカウンセリング的な教育を試みる、ということだったようです。

これはこれで意義のあることだと思いますし、何もしないよりは良いと思うんですが、調査機関の理事長が「謙虚さ、控え目を良しとする日本の文化のせい」とか言ってるあたり、効果には大いに疑問というか、むしろ危ういものを感じます。

自虐教育の見直しを

日本の子供たちの自尊心が低い原因、それも中、高と進むにつれてどんどん低くなっていく原因。これは未だに「日共ソ」の工作員教師らによって熱心に進められている自虐史観教育のせいなのではないでしょうか。

自分たちの住む国を悪逆非道の国家と教え込み、自らの誇るルーツであるべき歴史=父祖の歩みを、侵略と虐殺と強姦の血塗られた歴史と捏造して教え込む…。
本当はどんな素晴らしいものだったとしても、「悪い」「だめだ」と教え込まれたものを良いものだと思い続けることはできません。
きれいに掃除された部屋は汚しづらくても、ゴミだらけの部屋にはどんどんゴミが溜まっていきます。
共同体への理想や敬意を失えば、人はその共同体のために貢献しようと思わなくなるでしょう。

小1のときにはほとんどが肯定的な回答なのに、段々と否定的になっていくのは、「自虐教育」が進むにつれて、「自虐児童」が完成する過程を示しています。

おそらく日本の子供がおかしくなり始めたのは、戦後になってからのことだと思います。

日本」という共同体は
「国」-「地域」-「家族」-「自分」
とつなががっています。

日本の歴史」という物語は
「日本史」-「父祖の人生」-「親の姿勢」-「自分」
とつながります。

だからこそ、あらゆる国が学校教育ではまず自分の国を尊重することを教育し、家族を安定させようとするのです。「歴史を失った民族は滅びる」と言われているのもこのためです。

翻って、日本の戦後教育はこれと正反対の道を突き進んできました。
結果、何が起こったのでしょうか。人心は荒廃し、子殺し・親殺し、役人や警察官の汚職が後を絶たず、日本社会は溶解の一途をたどっているように思えます。

偉人教育

この負のスパイラルを終わらせるには、「教員が子供の自主性や個性を積極的に評価…」するよりも先に、国家解体主義の教師を追放し、自虐教育を集結させることです。
また、都教委も「自分のことが嫌いでは、学習意欲もわいてこない」という危機感を抱いていますが、そのためには歴史教育を大幅に見直し、とくに偉人教育を重点的に行なうべきでしょう。

ある学校で、総合的な学習の時間を使って、日本史の偉人について教えたところ、子供達の学習意欲が向上したそうです。
偉人教育は、無味乾燥した「歴史」の勉強に、魅力的な人物という彩りを与えるのと同時に、子供たちの目標としてのモチベーション向上効果も期待できます。

特に近現代史から、吉田松陰、高杉晋作、二宮金次郎、明治天皇、昭和天皇、東郷平八郎、乃木希典、新渡戸稲造、小村寿太郎、山本五十六など、「消えてしまった」偉人は枚挙にいとまがありません。

安重根だのムハンマドだのに割くページがあったら、そのぶん吉田松陰の思想や日露戦争の意義について教えるべきでしょう。歴史の授業だけでフォローできなかったら、今ある「道徳の時間」を戦前の「修身」の時間のように使って偉人について学んでもいいのではないでしょうか。

サッカーW杯やWBCで、誰もが日本を応援するのと同様に、誰だって自分の国を誇り、応援したいものです。子供の学習意欲も、こうしたところから生まれ、やがては国に貢献する有為の人材が育っていくのだと思います。

修身の教科書

なお、同じ問題を扱いつつ本論とは全く別方向の意見ながら、趣味Webの『子どもに自信を与える方法』はとても良かった。いつか僕が教育事業を興し、学習塾を経営するようなことがあったら、徳保さんを主任講師としてお迎えしたい。

・その他参照情報ページ
橘正史の考えるヒント: 教科書採択、愈々本番!

(櫻木)