パチンコ

言わずと知れた小林よしのり氏の代表作『おぼっちゃまくん』がパチンコ機になって、ネットでは非難囂々らしい。
確かに、これまでさんざん中韓朝鮮を批判し、中韓におとしめられている日本の独立と歴史の真実を描き続けた氏にとって、これは「変節」ととられても仕方がない。
ネットユーザーの若年・青年層にも、『ゴー宣』の影響を受けて政治・言論や社会問題に興味を持った人も数多くいるはずだ。

そんな小林よしのりに何があったのか?

金銭事情

まず真っ先にあげられるのが、小林先生の台所事情である。出版不況と言われる昨今、『わしズム』も休刊し、遅筆の先生にとって、パチンコ化によってもたらされる著作権使用料はバカにならない金額だろう。

<作品は6人がかりで一日12~13時間描き続けても、一日2枚しか上がらない。だが原稿料の作画にかかる経費のことは一切考えられていないので、ものすごく安い! 毎月、累積する赤字を単行本の印税で補填するしかない! 単行本が年30万部以上売れなければ大赤字が出る。この出版不況でそれだけ売るのは、益々、困難になってきた。

わしが30年以上やってこれたのは、子供を諦めて働き、貯蓄し、ヒットが出ない時は、貯金を切り崩してピンチをしのぐようにしてきたからだ。

こんな不況の中で、一般誌に連載していない『卑怯者の島』を2~3か月、原稿料なしで描ける余裕などない。だがパチンコがヒットすればそれも可能になる。これはありがたい!>
livedoor ニュース – 【眼光紙背】小林よしのり氏とパチンコ問題

この佐藤優の文章自体は、論争で批判された私怨が尾を引いていて見苦しいが、ここに引用された小林先生自身のコメント(ゴー宣からの引用)を読むと、ちょっと考えさせられる。
昨今の社会問題も、「自分が書かねば」という思い、「社員(アシ)を養わねば」という思いで取り組んでこられたであろうことは伺える。マンガの原稿料の安さも知っている。『卑怯者の島』の続きも読みたい。

しかしなー。どんな商売でも、仕入れ値と売り値のバランスで収支が決まるわけであって、まずは原価を下げる営業努力があってもいいのではないだろうか。6人がかりで1日2枚しか仕上がらないというのはあまりに高コスト体質。アシスタントを首切りしろとは言わないが、ある程度量産できるクオリティまで絵の密度を下げるなどして、作品の点数を増やすこともできるんじゃないだろうか。どちらかというと、現在の小林先生の作品は、絵の完成度よりもその内容の方に比重があるような気がするので。

朝鮮系への免疫が弱い小林

また、そもそも小林先生はもともと左翼的な個人主義で知られ、差別問題にもそういったスタンスから批判していたり、意外と韓国・朝鮮人シンパでもあるのだ。

129 :名無しさん@九周年:2009/04/20(月) 21:27:25 ID:ZEcS5DqJ0
戦争論1,2,3辺りは歴史のねつ造について話していた、その頃は神扱いだった。
しかし、元々この人は在日や韓国側に立って話していた。
嫌韓流などを作品の批判はするが、その批判される元については話さない。
在日批判したら出版出来ない事を分かっていたのでは?

その情けない日和見に気づいた人がどんどん小林から離れていった。
もうこいつで止まっている人はいないと思うよ。
歴史の矛盾を漫画で分かり易く気付かせる切っ掛けを与えてくれたことには感謝するけど、
まあそれだけの人です。もうとっくのとっくに終わっています。
本人はまだ気付いてませんけど。

131 :名無しさん@九周年:2009/04/20(月) 21:27:29 ID:UIiMt3W2P
小林よしのりは別に朝鮮半島嫌いではなかったわな。
ついでにネットにも否定的だし。
そのうちゴー宣で経緯を描くんじゃね?
「わしは何度も断ったが、京楽産業の熱意に感じ入るものがあった」
とかさ。
未定なブログ 漫画家、小林よしのり氏の代表作「おぼっちゃまくん」がパチンコ化

私は小林よしのりが「終わった」とは思っていない(最近出た『天皇論』は素晴らしい)し、日和見主義で韓国批判を手控えているとも思わない。
ただ、どうしても韓国・朝鮮系に対する免疫は低いようだ。
かつて、『嫌韓流』が話題になったときも、作中でこんな風に怒りをあらわにしている。

嫌韓漫画の影響で朝鮮人差別が広がってる。
嫌韓流の作者は、ネットからの情報を鵜呑みにしてる
わしは読む気もしない。
作者は、実名を晒しリスクを背負え

わしは朝鮮人差別や部落差別は許さない
Wissen ist Macht:小林よしのり氏 朝鮮人差別は嫌韓流の影響 – livedoor Blog(ブログ)

言いたいことは分からなくもないが、ネットでの韓国・朝鮮批判がこんな引用されている醜悪な差別AAやコピペばかりだと思っているとしたらちょっと違う。どちらかというと、小林先生の批判は単なる「ネット差別」に過ぎないのではないか。

パチンコの8割が朝鮮系で、北朝鮮体制の延命資金、ミサイルの製造資金になっていることを、知らないのだろうか。
パチンコで身を持ち崩す日本人が何万人といても、それらは「自己責任」「政府がなんとかすればいい」で片付けていい問題だろうか。
戦後のGHQと日本警察の妥協により、パチンコと朝鮮人利権が密接不可分になるまで癒着し、警察も司法もそこにからめとられて何もできないこのグロテスクな現状こそが問題なのに、「禁止しない政府が悪い」とは、あまりといえばあまりである。

おぼっちゃまくん、さようなら

銀河鉄道に始まり、仮面ライダー、キン肉マン、北斗の拳、花の慶次、エヴァ、エスカフローネ…。僕はこれらの不幸にもパチンコ化されてしまった作品群を「死んだ」と思っているし、作者のことも軽蔑してしまう。

おぼっちゃまくんも「死んだ」。小林よしのりにも失望した。
しかしかくいう私も影響を受けた『戦争論』は歴史に残る漫画本だと思っているし、事実あの作品が日本の言論状況を130°くらい軌道修正したと思っている。(蛇足ながら、小林よしのり『戦争論』の影響をことさら否定するのは、エックスやビーズを昔好きだったことを頑なに否定し、その反動であしざまに言いつのる洋楽ロックファンみたいで美しくないと思う。)

(櫻木)