歴史と日本

日本が忘れてはならない島がある

四方を海に囲まれた島国である日本にとって、大事な「島」といえば、北方領土、竹島、尖閣諸島、そして硫黄島などが思い当たりますが、もう一つ、日本人が決して忘れてはならない島があります。
長い間、歴史の彼方に忘れられ去られていた島。北方領土の占守島です。

日本では、8月15日が「終戦記念日」として、全戦闘が終わったかのように思われていますが、実は8月19日、この島を舞台に、大東亜戦争最後の激戦が繰り広げられていました。
敗戦とはいえ、戦争が終わってようやく郷里に帰れる…。そう思って一度は武装を解いた戦士達は、しかし国際協定を破って突如侵略してきたソ連軍を迎え撃ったのです。

この戦いの前、スターリンは「北海道占領予定」という計画のもと、北海道の半分を占領、戦後に割譲する予定でいました。しかし、占守島防衛隊の働きによって、その野望が打ち砕かれたのです。

この激闘で、日本軍の死傷者は700~800名におよび、ソ連軍は3000名以上の死傷者を出したと伝えられています。ソ連政府機関紙のイズベスチアは
「占守島の戦いは満州、朝鮮における戦闘よりもはるかに損害は甚大であった。8月19日はソ連人民にとって悲しみの日である」と述べています。

しかし、この日は日本にとって、大日本帝国軍における最後の大勝利をたたえるべき栄光の日であった、と言えます。

「世界が忘れてはならない島がある」

これは、映画『硫黄島からの手紙』のキャッチコピーです。しかし、硫黄島と同じく、少なくとも日本人が忘れてはならない島は他にもあります。その筆頭がこの占守島です。
家族と国とを思い、侵略者から祖国を守って戦った彼ら戦士達の、その勇気と信念に、感謝の祈りをささげる日、それが8月19日です。

詳しくはこちらを。
占守島の戦い ~北海道を守った男達~

(櫻木)