オーストラリアと捕鯨問題

日清戦争前夜、イギリス国旗を掲げて清国兵士を満載していた汽船を、日本海軍『浪速』が撃沈する事件がありました。これにたいし、イギリスの朝野の世論は沸騰し、日本討つべしの声まで上がったそうですが、戦時に第三国の船で兵士を運ぶのは国際法違反ですし、再三の停戦命令を無視された後の撃沈だった、という事情が明らかになるにつれ、イギリスの世論は収束していきます。
さて、オーストラリアに、100年前のイギリスのような大人の対応ができるでしょうか。

と思ったら、オーストラリア国内でも「あれはちょっとやりすぎじゃないか」の声が上がり始めているようです。
デイリー・テレグラフのような低級紙はともかく、まともな新聞は中共の手先と化したラッド首相やシー・シェパードを批判し始めているようです。これが、祭り騒ぎで盛り上がっているオーストラリアの一般世論にも届くといいんですが。この機を逃さずに、日本政府にもしっかりとした対応をとってほしいものです。

昭南号のレーザー砲

第二昭南丸のレーザー砲

(画像はシー・シェパードのテロ工作船をレーザー砲でなぎ払う第二昭南丸の勇姿。YOMIURI ONLINEよりコラ作成のため拝借)

【シンガポール=岡崎哲】今月6日に発生した日本の調査捕鯨船団の監視船「第2昭南丸」と米国の反捕鯨団体シー・シェパードの小型高速船「アディ・ギル号」の衝突が、高速船の大破など過去最悪の被害となり、同団体に同情的だったオーストラリアで過激行動への反感が募っている。

不満は、エスカレートする事態を止められない豪ラッド政権にも向かっている。

「政治家と記者は(シー・シェパードの)活動家への支援をやめるべきだ」――。豪有力紙「オーストラリアン」は8日付の社説でこう訴えた。一連の抗議行動を「傲慢(ごうまん)で理屈に合わない」と切り捨て、シー・シェパードとの「決別」を宣言した。同紙のサイトで実施された読者投票で衝突責任の所在を尋ねたところ、約64%が「シー・シェパード」と回答した。

シドニー・モーニング・ヘラルド紙の社説もシー・シェパードの行為を「違法すれすれの極めて危険な遊び」と非難。日本側の「防衛的措置は合法」とした。

過激派シー・シェパード、豪でも反感高まる : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

(櫻木)