時事問題

昨日は成人の日でした。これから名実共に「大人」として様々な権利と義務と責任を負って社会に出ることになる新成人の皆様にエールを送ります。

さてこの季節になると、テレビではおきまりの「荒れる成人式」というローカルニュースが全国に放映されます。あれは本当に馬鹿馬鹿しいものですね。いい年をして中学の卒業式のように成人式で暴れる珍成人も馬鹿ですが、それを大げさに取り上げるのも馬鹿です。ああやって報道するから、地方の馬鹿者が「俺たちもああやって騒げばテレビに映るべ」と勘違いするのではないでしょうか。

しかし、もちろん大多数の新成人は社会秩序を守れる日本人ですし、一部の馬鹿者をちゃんと叱責できる、責任を背負った大人もちゃんといます。そう、子供を叱るのも大人の責任の一つなのです。

「成人の日」前日の10日、長崎県佐世保市が開いた成人式で、最前列の席に陣取った約20人の新成人の集団が、朝長則男市長のあいさつ中に壇上に登り、手にした扇子で市長をたたこうとして係員に制止される一幕があった。

集団はその後も「おまえの話なんか誰も聞いとらん」「一発芸しろ」などとヤジを飛ばし、たまりかねた市長が「社会というのは厳しいものだ。ルールを守れるようになりなさい!」と一喝。会場のほかの新成人たちから拍手が起こった。

集団は「つまらんから出ようぜ」と言って退出。うち1人は会場を出た後、 市職員に「今日がこういうことをやれる最後の日。明日からはまじめに働く」と神妙に語った。

痛いニュース(ノ∀`):暴れる新成人集団を市長が一喝→他の新成人たちから拍手→集団、捨て台詞吐き退出…佐世保市・成人式

ダ、ダサすぎる…。こうした一部の珍成人は20/1500というごく少数であることと、これに一喝した市長、それに拍手で賛同した新成人たちの存在が救いですね。

秩序を作り未来を守る

ではここで私からも新成人の皆様にエールを…。

学生時代までの皆さんは、秩序に従う側でした。学校での校則や家庭での決まり事など、いかにしてそうした規則を破るかに工夫を凝らした人や、ルールに従う人生なんてつまらない、そう考える人もいると思います。恥ずかしながら、私もそうでした。行儀良く真面目なんてできやしなかった。しかし、「大人になる」ということは、そういった社会の秩序を守る側、安定した社会を作っていく側になる、ということです。そしてそれがいわゆる「責任」の一端なのだと思います。

過去への感謝と未来への貢献

秩序を守るというのは、つまらないことではありません。それは、この平和で暮らしやすい日本の社会を守り、育て、次の世代に引き継ぐということだからです。もちろん、社会の不合理や、現実に即さなくなった規則はどんどん改良していくべきです。それも「秩序を守る」「社会を作る」ということです。

次の世代に引き継ぐ、未来へ貢献するというのは、若者が常に担うもっとも重要な役割です。この平和で豊かな日本の社会は、今この時間を生きている我々だけで作り出したものではありません。1000年、2000年も昔から、はるか祖先が脈々と引き継ぎ、育ててきたものです。いわば、借り物です。日本の現在の反映は、先人達の貴い犠牲と努力の上に成り立っています。そのことに思いを馳せ、歴史に学び、未来を作っていきましょう。

最後に、アメリカの有名な政治家の言葉を贈ります。

国が何をしてくれるかではなく、自分が国に何ができるかを考えてほしい

“And so, my fellow Americans: ask not what your country can do for you — ask what you can do for your country.”

J.F.ケネディ

ケネディ大統領 就任演説 【英語】

第35代アメリカ合衆国大統領、ジョン・F・ケネディの言葉です。アメリカはろくでもない国でもありますが、こうした発言ができる政治家がいるということ、それを支える国民の愛国心は大したものです。
日本には、敗戦ショックとGHQ政策によって、「愛国心アレルギー」という世界に類を見ない奇病に冒されている人がたくさんいます。政治家にもいます。しかし、国に貢献することを考えない人間に、政治家の資格はありません。いえ、政治家に限らず、責任ある大人はすべからく国を思う人であるべし、と言えるでしょう。
なぜなら、国を思ってする活動こそが、国全体の経済、文化、福祉の発展に繋がり、それによって私達が、また私達の子供が、明るい未来を送れるようになるからです。

これから色々な仕事に就く皆さんが、「国が何をしてくれるかではなく、自分が国に何ができるかを考え」る大人になり、日本の未来に貢献してくれることを願ってやみません。

(なーんて、ちょっと格好付け過ぎでしょうか…? いえ、いーんです。子供の前でちゃんと格好付けるのも大人の責任のうちじゃないですか!
 …まぁ、新成人くらいの年代がどのくらいこのサイトを読んでいるかは不明ですが。)

(櫻木)