「男はね…、初めっから男やなかよ。男になるもんたい。」
いいですねこの台詞。ぐっと来ます。最近、仕事から帰ってくるとちょうどいい時間にやっているドラマ『バンビーノ!』を見ています。原作はスピリッツの人気漫画。田舎から上京してきてイタリアンレストランで働く主人公の奮闘を描いた料理スポ根です。『味いちもんめ』です。
今日は、田舎の腕自慢が東京ではまったく通用せず、「使えないヤツ」扱いされて失意のどん底の主人公。「誰にも必要とされないことほどつらいことはない。」
そこで冒頭の言葉。主人公を送り出した田舎の店のオーナーが、主人公の恋人に語った言葉です。
「男はね…、初めっから男やなかよ。男になるもんたい。うまかモン作る料理人ならなおさらばい。」
逃げるか逃げないか。逃げないのもスキル。諦めないのも才能。すべての漫画の主人公がそうであるように、逃げずに立ち向かうからこそ男は男になるんですよね。
飲食店業界は、厳しいところは本当に厳しいものです。僕も一時期、ホテル系のオーセンティック・バーでバーテンダーとして修行したころがありました。
BARの世界も、ほとんど寿司職人とかと同様、昔の徒弟制度のような世界観を色濃く残してます。最初に師事した人は文字通り「師匠」だし、カウンターの中(寿司屋で言うツケ場)に立つには、それなりの年月を費やして認められなければなりません。
僕も最初は「使えないヤツ」扱いをされて、毎日ボロクソになじられ、蹴られ、叩かれました。僕がその店に在籍していた1年半の間に、何人ものバイトが入っては辞めていきました。「俺、バーカンやってたから結構カクテルとか振れるッスよ」とか言っていた男は2日で来なくなりました。
でも、僕は逃げませんでした。「絶対認めさせてやる」「腕なら負けない」と信じて続けました。『バンビーノ』を見ていたら、あの時期があったから今がある、ということを再確認しました。
そして、いつの間にかちょっと偉くなったからって、お高く止まって色々と手を抜いてラクをしようとしていた自分にも気付きました。
そうだ、自分なんてちっぽけな自分だ。だけど誰よりもガンダムをうまく扱える自分なんだ!
GWまであと一週間。気合入れていきましょう。
バンビ~ノ!
疲れたビジネスマンに。
(櫻木)