人間が、朝日と共に起きて、昼にはご飯を食べ、夜になると眠くなるのは、体内時計に従って活動しているからです。しかし、実はこの体内時計には時差があります。
試しに、人間を外界から完全に隔離して、昼夜の区別が分からないような生活をさせると、生活時間が1時間ずつ後ろにずれていったそうです。つまり、人間の体内時計は25時間なのです。
だから、夜更かしはラクなのに、早起きはツライのです。
なぜ体内時計は25時間なのか
どうせなら24時間周期にしてくれれば苦労しないのに、なぜこんな仕様になっているのでしょうか。
これは僕の仮説ですが、おそらく「イザというときに無理が利くように」という、野生時代からの本能なのではないでしょうか。
例えば、遠くまで狩りに出かけて帰れなくなり、夜になったがもう少し移動しないと身体の安全が確保できない、しかし活動限界時間を超えてしまった…。というような危機を回避するためです。
別に野生時代でなくとも、「今日中にこの仕事を仕上げなくてはならない!」というシーンもありますね。(そう言うときは通り越して徹夜になることのほうが多いものですが…)
リセットなどの生活習慣
つまり、人間の体は、夜更かし仕様に最初から作られているわけです。しかし、際限なく後ろ倒しで夜更かししていっては、社会生活が成り立ちません。そうした「いざというときの予備時間」は、どこかで調節する必要があります。
それが日光なのです。朝の光を浴びることによって、セロトニンが増え、体内時計にリセット作用が働きます。また、朝起きてから14~15時間程度経つと、メラトニンという睡眠ホルモンが分泌され、眠気を誘うようになります。もし徹夜明けだとしても、朝の光を浴びて体内時計を調節してから寝る(昼寝扱いにする)方が良いでしょう。
とは言え早起きは難しいので、現代人にとってはむしろ早寝することのほうが大事なんじゃないか、と思うのです。→今日から早寝できる3つの方法
(櫻木)