日記

ドラゴンアイスビル

ドラゴンアイスビル…。

風俗無料案内所に案内板がある

風俗無料案内所に案内板がある

6月の終わりごろ、突如として渋谷の道玄坂にどギツいショッキングピンクのビルが登場しました。また例によって性風俗店の関連ビルか…。と思って通り過ぎようとしたら、同じくショッキングピンクのTシャツを着た男が「今なら半額です!」と迫ってくる。うっとうしいポン引きだな、と思ってよくよく見たら、春ではなくてアイスを売っている店でした。

薄くスライスした氷

薄くスライスした氷

コンビニのチャーハンのようなプラスチック容器

コンビニのチャーハンのようなプラスチック容器

とりあえず半額と言うことで、トッピングなしの『プレーン』を食べてみました。アイスというよりも、カキ氷的な味。いわく「練乳入りの特殊な氷を薄く削ったかき氷風スイーツ」とのことで、とても薄く削ってあるので口に入れるとファサ…と溶けてなくなってしまう。これは確かに新しい食感だけど、トッピングでフルーツとかが乗っていないと、あまりにスカスカなのでなんだか食べた感じがしないので要注意です。

店内は一応席があって食べられるようになっているんですが、赤と青の原色プラスチックで彩られた内装、コンビニのチャーハンのようなプラスチックの容器の安っぽさは、僕にとって居心地がいいとは言いがたい空間でした。あとスプーンが木で困る。スプーンもプラッチック(関西弁)にしてほしい。

ケバすぎる店構え

それにしても、このケバケバしい店構えは一体何なのだ。キャバ嬢っぽいモデルがにっこり微笑む写真が看板で、全身ショッキングピンクの建物に、上から下までストロボフラッシュの電飾がちりばめてあるのだ。下品すぎる。元々悪い渋谷の街の警官を、ここまで悪化させられれば大したもんだ。

この間、鎌倉(逗子)に行ったときにも、「期間限定ドラゴンアイス!半額です!」と出店を出していた。そこでは「TV番組『金スマ』で紹介されて大人気のスイーツ雪花氷!」と大書きされていた。なんかおかしい。

ちょっと調べてみると、
・経営するのは、同店開業に向けて設立された「ドラゴンアイスカンパニー」
・「1980年代、原宿・竹下通りにクレープ屋が登場して全国的なブームになったように、渋谷からドラゴンアイスを発信していきたい」と、関係者は語る。
・渋谷の店舗は丸ごと「ドラゴンアイスビル」(4F5Fには一体何が?)

しかも、『金スマ』で紹介されたのは、昨年からこの雪花冰を紹介している雪花の郷で、この店は後発でメニューをインスピレーションしただけであり、すると「日本初上陸」というのは大嘘ということか?。それなのにこの強引な宣伝展開、売るためにビルを丸ごと使ったり、専用会社を設立したり、悪趣味な宣伝展開をしているのは何者なのでしょうか。一体背後にはどんな組織が?

ドラゴンアイスの正体

ということでちょっと調べてみました。

どうやらここを運営しているのは、新宿ソフト(森下グループ)のようです。首都圏の繁華街を中心に、テレクラや個室ビデオ、漫画喫茶を運営している会社とのこと。リンリンハウス、マンボーの運営会社、と言えばお分かりでしょうか。
1980年代にテレクラ「リンリンハウス」で低価格と派手なネオン、自己主張の強い広告で客を集める手法で成功し、この方式を使って漫画喫茶「マンボー」を成功させた会社です。
また、同時に森下グループは、地上げを繰り返しつつ、脱法性風俗営業で巨額の利益を出し続けていましたが、昨年末に摘発されています。
あの看板や店構えは、「まるでテレクラみたい」なのは当たり前で、まさにその手法を転用して作られたものだったんですね。

石原都知事の進める「歌舞伎町ルネッサンス」によって、違法風俗や無料案内所はかなり厳しく取り締まられているようで、おそらくは事業の方向転換、多角化の一環として進めているのがこのドラゴンアイスなのでしょう。

しかし、かつての美しい日本の町並み、都市の景観を取り戻したいと願う人々にとって、このような下品な装飾は願い下げです。中身が性風俗や金貸しじゃなければいいというものではありません。ストロボフラッシュはどう考えてもやりすぎ。

こっちは無料案内所

こっちは無料案内所

味はまあ、いいんですけどねえ…。食感はさわやかだし。次は秋葉原にあるという、多分元祖の雪花の郷で、しょこたんオススメのアイスを食べて比べてみたいと思います。

夜はもっと派手です

夜はもっと派手です。

(櫻木)