コラム

みどりの日に、家の軒先のポットで寄せ植えを作りました。ひとつはナデシコ、もうひとつはマリーゴールド、それとゴールドクレストとアイビーと折鶴ランを使った、グリーン鉢。

そう言えば今年から、今まで4月29日だった「みどりの日」が、5月4日に移っていることをご存知でしょうか。代わりに、4月29日は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日として、「昭和記念日」という新しい祝日になりました。


みどりの日は、祝日法で「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」日として制定されていますが、元々は、昭和の天長節、つまり昭和天皇誕生日です。緑をはぐくむ豊かな心は確かに必要ですが、昭和天皇と直接の関係がない「みどり」という唐突なネーミングの背景には、事情がありました。

昭和天皇の崩御に際しては、60年以上にも及ぶ長い治世とご遺徳、わが国が有史以来初めて対外戦争に敗北したことによる塗炭の苦しみ、そこからの経済的復興などの激動の年月を偲んで、特別に祝日として残されることになりました。おそらく、昭和記念日、昭和の日などの名前がつけられるはずでした。

しかし、例によって左派勢力による「戦争責任」「軍国主義の復活」などの品位のない難癖によって、「みどりの日」という無味無臭なネーミングにせざるを得なかったのです。

以降、20年近くが経って、ようやくここに本来のコンセプトどおり、4月29日が「昭和の日」として制定されたことをうれしく思います。

これで、新・みどりの日には、こうして心置きなく緑を愛でることができるというものです。

(櫻木)