先日まとめたチベット問題(今、中国がチベットで何をしているか)について、「だってじゃあいち個人に何ができるの?」という疑問に関するQ&A。
1.どうして中国はそんなことをしているの?
中国にはそもそも「中華思想」という、自らを世界の中心として、周辺諸国はその属国であるべし、という思想がある。これと共産主義、覇権的軍国主義が結びついた危険な軍事独裁政権が現代中国。
チベットの悲劇は、そんな大陸国家と隣接しつつ、防衛力をほとんど持たなかったこと。
2.世界から怒られないの?
怒られない。未だに中国を「世界の工場」「12億人の市場」という目で見ている日米始め諸国は、金儲けのために中国との関係が悪くなることを嫌って、半ば見てみぬふりをしている。
3.チベットの人もアピールしたりすればいいのに。
している。インドに亡命したチベット仏教の指導者、法王ダライ・ラマ14世は、「チベット亡命政府」を作って中国の非道とチベットの主権回復を訴え続けているし、各国を訪問してこの問題の解決にむけて国際的アピールを続けている。日本にも来たことがある。
4.でもニュースとかでチベット問題なんて見たことない。
全く報道されないわけではないけど、扱いは小さい。中国が「チベットは内政問題」という姿勢でいるので、とかく中韓の意向のみを気にする日本のメディアは、右へ倣えで中国の利益に反するような主張はあまり報道しないような仕組みが出来ているのだ。
5.何かできることはないのかな。
前に他の話題でも言ったけど、こういう問題はまず「知ること」。一人一人が「知ること」によって、いつしか世論が形成されるかもしれない。具体的なアクションを起こせる能力や立場を持った人はそれほど多くないけど、「知ること」は誰にでも出来るし、少しがんばればそれを「誰かに伝えること」もできるかもしれない。
また、さらに興味があって具体的に何かをしたい、と思ったら、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所を通して手軽に寄付やボランティア活動ができるので、やってみるといいと思う。
(櫻木)