国際関係

先日、とうとうアメリカが20年来続けてきた北朝鮮の『テロ支援国家』指定を解除しました。それも、日本に事前になんの通達もなく、30分前に電話で「あ、悪いけど解除すっから」と言ってきたのみです。

この動きに関して、日本からあまり活発な意見が聞こえてきません。ただ「遺憾に思う」というような発言のみで、具体的にどうこうしようという声が上がるよりも、ただ茫然自失として右往左往しているかに見えます。
そもそも、米国にどうしてもらうかの問題ではなく、これは日本という国家と北朝鮮という政治集団との2者間の問題でした。

2008年10月14日 16時43分 共同通信

核実験を懸念しテロ指定解除 米紙が報道

【ワシントン14日共同】米国が北朝鮮のテロ支援国家指定解除に踏み切ったのは「ブッシュ政権の最後の100日間に北朝鮮が核実験を強行しかねないとの懸念が高まったことが主な理由と米当局者が非公式に認めた」と米紙ワシントン・ポストが14日までに報じた。一方、ニューヨーク・タイムズ紙は指定解除をめぐり「米政権内は(意見対立で)戦争状態」にあり「際どい判定」(政府高官)の結果と伝えた。
核実験を懸念しテロ指定解除 米紙が報道 | エキサイトニュース

2008年10月14日 17時21分 共同通信

首相、テロ指定解除は不満 米に伝達と強調

麻生太郎首相は14日午後の参院予算委員会、北朝鮮に対する米国のテロ支援国家指定解除に関し「われわれは不満ということははっきり申し上げてきている」と述べた。拉致問題解決を目指す日本の立場を米側に伝えたことも強調した。北朝鮮の核計画申告をめぐっては「検証がきちんとできるかが一番の問題だ」と述べ、6カ国協議の枠組みでの検証の必要性を指摘した。民主党の直嶋正行政調会長に対する答弁。
首相、テロ指定解除は不満 米に伝達と強調 | エキサイトニュース

数年前に、アメリカがイラクにたいして国際法や道義を完全に無視した侵略戦争をしかけようとしたとき、
「ここでアメリカを支持しないと、北朝鮮の核から守ってもらえなくなる」
「イラクの次は北朝鮮のはずだ」

と言っていち早くアメリカの侵略戦争を支持した親米派の人々は今頃どうしているんでしょうか。

世界の警察を自認するアメリカは、日本の宗主国ではありません。日本は本来ならば、自立した独立国のはずです。しかし日本は、悲しいことに事実上アメリカの植民地です。日本に狂った銃口を向ける国家規模のテロ集団が海峡を隔てて存在しているのに、「アメリカが守ってくれるから…」と金だけ払ってそしらぬフリを決め込んでいた、そのツケがいま表れているのでしょう。

北朝鮮の核兵器におびえるなんていうのは、飼犬に手を噛まれるような忌々しい悪夢ですが、だからといって侮ったり、論議すること自体を「物騒だ」といって封じようとしたりするのはまったくナンセンスです。

そもそも「6ヶ国協議」などという枠組が有効に機能しないことなんて始めから分かりきっていたことです。中共は北朝鮮の今の飼い主ですし、露西亜は日本の平安など望んでおらず、アメリカにとって北朝鮮の核は、自国には届かないし、イラクのように石油もないし、まったくの他人事でした。ずるずると北朝鮮の瀬戸際外向に引きずられた挙句、達成されたのは6ヶ国協議の無能力化だけでした。

日本が立ち向かおう

いまこそ日本は、あの狂犬集団とちゃんと向かい合うべきときです。
アメリカという自称保安官が「テロ支援国家」などと言っているので安心するべきでなく、日本が主体的な独立国家として、北朝鮮を「テロ集団」「敵性団体」と認定すべきです。(日本は北朝鮮を国家承認していません)
本当ならば宣戦布告してしかるべきような状態にも何度もなっていますが、悔しいことに装備の面でも、法整備の面でも、北朝鮮の核を本当に無能力化、先制攻撃して核施設を破壊することは、現在の日本にはできません。

かくなる上は、せめて経済制裁を解除して北朝鮮を延命させたり、軍事費に使われる金を援助したりする愚行は重ねず、北朝鮮にまともに対抗できるような「防衛軍」の創設、核武装の議論を急ぐべきでしょう。

かつて、自国の防衛を全て大国ローマに委ねて経済活動のみに専念したカルタゴは、ついには二度ローマに滅ぼされて消滅しました。

自分の国を自分で守れない国家は、やがて滅亡する運命にあります。2600年に渡って受け継がれてきた日本という国土、民族、精神、歴史、文明を守り、次代へと引き継ぐのは、現在に生きる私たちの最低限の責務です。

()