「麻生首相の自宅を見に行こう」とインターネット上で呼びかけ、東京・渋谷区の繁華街で、無届けでデモ行進を行っていたグループの男3人が、警察官に暴力を振るうなどして現行犯逮捕された。
3人は、インターネット上で「麻生首相の自宅を見に行こう」との呼びかけで集まった30人ほどのグループのメンバーで、渋谷駅前で集まり、麻生首相の自宅に行く途中、
「無届けデモを中止するように」との警視庁の再三の警告を無視してデモを行っていた。
痛いニュース(ノ∀`):「麻生首相の自宅を見に行こう」 ネットで呼びかけ無届けでデモ、男3人逮捕
またどこぞの2ちゃんねらーがおバカな事件を起こしたのかな? と思いきや、単なる若年左翼の活動でした。報道の見出しだけだと、一瞬「3人で歩いてただけなのに逮捕!?」にミスリードしそうになりますが、実体はずいぶん違います。
10月26日 麻生首相の豪邸拝見ツアー開催
10月26日、午後3時、渋谷駅ハチ公前広場に集まってほしい。みんなで渋谷駅から徒歩15分の
麻生の家に行くのだ。この日、2回目の「リアリティツアー」が開催される。格差社会の底辺については知り尽くしているけれど、格差の頂点について、私たちはあまりにも知らない。(中略)
で、今回は2回目。ツアーのサブタイトルは「62億ってどんなだよ。麻生首相のお宅拝見!」。
以下、チラシの告知文だ。「第2回のツアー目的地は、このたび『かしこくも』内閣総理大臣に就任された麻生太郎首相のお宅です。
45年間にわたり一着30万円のスーツを年間10着仕立てるおしゃれな首相。たった1日で大卒初任給の2倍の弾を撃ちまくって鍛えた射撃はオリンピック級の腕前。敷地だけで6200000000円。
大久保利通、牧野伸顕、吉田茂に連なる『華麗なる一族』の東京宅を見に行きましょう」更に更に、なんとフリーター全般労働組合は、麻生に団体交渉を申し入れる!!(以下略)
http://www.magazine9.jp/karin/081022/
労使関係にない相手に団体交渉できるわけないだろ、というのはさておき、彼らは、自分たち側のメディアではこんな主張を…『市民ニュースJanJan』では、関係者のこんな証言が紹介されている。
さて、今回の第二回ツアーは、反戦と抵抗のフェスタのプレイベントとして企画されたもので、渋谷駅前に集合したのち、渋谷の駅から歩いて行ける距離にあるという、敷地だけでも62億円するという、麻生首相のお宅を見学にいこうという、なんとも「のどかな」企画です。
ですが、この、なんとも牧歌的な企画は、麻生首相のお宅に到達することができなかっただけでなく、3人もの逮捕者が出るという結果となってしまいしました。現場では何がおこったのでしょうか? 居合わせた人たちの証言をもとに、レポートします。
会場には、先日の明治公園で行われたデモでも使われた「お宅拝見!!」の横断幕のほか、麻生首相の顔をかいたプラカード、大きな風船に麻生首相の顔に「うち来る? イクイク」などと書かれたもの、ガイコツの巨大パペットの顔に、麻生首相の顔をくっつけたもの、プラカードなどが用意されて、なんとも陽気な一行ができあがっていました。
「これはデモじゃなくて、ただ平和に歩いてだけなのに逮捕された。ひどい!」ということなんだが…。
タイトルに惑わされず内容を読むと、これのどこが「のどかな企画」なんだと驚く。これが本当に「のどかな企画」だと信じているとしたら、そら恐ろしいくらいだ。(追記)いや、「のどかな企画が一転して悪夢の逮捕劇に」というニュアンスは分かるんですが、僕の感覚ではこれは端から剣呑に見えます…。
一般人が数人で歩いていくんじゃなくて、「数十人規模の政治的主張をもつ集団」がプラカードや横断幕を持って押しかけるわけですよ。「騒いでないからデモじゃない」と言われても、ね。(現場のある警官がはじめ容認したとしても)
動画を見てみれば分かるけど、「ただ歩いてるだけ」じゃないでしょう。
YouTube – 10/26 麻生邸宅見学に向かおうとしたら逮捕
「のどかな企画」の内容
- フリーター全般労働組合なる新興労組団体が中心
- 「反戦と抵抗のフェスタ08」という活動の一環
- デモ告知のチラシに併記してある「お宅訪問」企画
- ガイコツに麻生首相の顔を貼り付けたものやプラカード、横断幕などを用意
- 遠巻きの野次馬と合わせて200人規模の群衆が首相の私邸に接近
- デモの届け出、なし
これで逮捕されないのってどんな無秩序社会だよ。日本をなんだと思ってるんだ?
それにしてもこの悪趣味な左翼活動を「陽気な一行」と形容したり、横断幕をもった群衆を「のどか」と表現したりする記事が投稿される、この「市民ニュースJanJan」というのはやはり向こう側の「市民」メディアですね。
(櫻木)
事実誤認を指摘しておきます。
●『200人の群集』とのことですが、実際には50人ほどで、制服警察との打ち合わせのうえで歩道を歩いていました。200人は、遠巻きにみていたヤジ馬もあわせての数ですので『群集』というにとては散漫なものです。
●「麻生は団体交渉に応じよ」と主張しながら歩いてはいません。なぜなら、記事にもあるように、団体交渉の申し入れには拒絶するという回答ではなく、時間があわないという回答だったので、そこまで迫る必要はないからです。また、雇用主でもないのに断行を申し入れた冗談企画にたいして返答が帰ってきた事は評価できることです。
●『告知では「デモ」と明記してある』とのことですが、どれでしょうか?
この企画は、もともとがツアーとして企画されたもので、デモではなく申請の必要性もありません。制服警察(渋谷)とも合意済みの内容です。
逮捕を強行したのは公安。制服警察も指示に従わされますが、そもそも組織系統が違うものです。
●『ふくれあがった群衆』として紹介されている写真は、逮捕に抗議する人たちの集まりなので、『のどかな企画』の一環ではないです。
●記事を読まれての感想かもしれませんが、事実誤認のミスリードが多いように思われます。ご注意ください。
ご指摘ありがとうございます。ちょっと筆が滑りました。
以下のように箇条書き部分を修正いたしました。
* フリーター全般労働組合なる新興労組団体が主催
* 「反戦と抵抗のフェスタ08」という街宣活動の一環
* 告知では「デモ」と明記してある
* ガイコツに麻生首相の顔を貼り付けたものやプラカードなどを用意
* 「麻生は団体交渉に応じよ」などと主張しつつ行進
* 野次馬合わせて200人規模の群衆が首相の私邸に接近
* デモの届け出、なし
↓
* フリーター全般労働組合なる新興労組団体が主催
* 「反戦と抵抗のフェスタ08」という街宣活動の一環
* デモ告知のチラシに併記してある「お宅訪問」企画
* ガイコツに麻生首相の顔を貼り付けたものやプラカードなどを用意
* 「麻生は団体交渉に応じよ」との主張をもつ団体
* 遠巻きの野次馬と合わせて200人規模の群衆が首相の私邸に接近
* デモの届け出、なし
test
どうも投稿が反映されないようなので、投稿の反映される
http://www.suzaku-s.net/2008/06/readme_first.html
に便宜上投稿しておきました。
よろしく。
だいぶ滑りまくっていると思いますよ。
●厳密にいうと…
『反戦と抵抗のフェスタ実行委員会』http://d.hatena.ne.jp/festa_hansen/
と
『フリーター全般労働組合』http://d.hatena.ne.jp/spiders_nest/?of=5
は、別のものなんですよね。
フリーター労組の人が中心となって呼びかけて結成したのが『反戦と抵抗のフェスタ』です。
そのフェスタのプレ企画『お宅拝見』において、フリーター労組は企画全体としてではなく、あくまで一参加団体として、首相に団体交渉を申し込んだ、ということにすぎません。
参加者、ヤジ馬のおおくと、団体交渉の申し入れは別のものです。
ですから
* フリーター全般労働組合なる新興労組団体が主催
* 「麻生は団体交渉に応じよ」との主張をもつ団体
の二点は、やはり間違いだと思います。
とくに後者は、『誰が』が明確ではなく、日本語として、意味が通じておりません。
また、団体交渉を申し込んだことは、半分冗談であることは主催者も自覚しておりますし、当然首相側もそんなことはわかった上のことでしょう、返信をしています。
首相に会って話がある、という主張をもつこと自体は、とくに問題はないのではないか、と思いますが、どうなんでしょうか? その内容について意見がある、というのなら別ですが。
●「麻生邸訪問」で逮捕された団体?
一般的に逮捕されるのは『団体』ではなくて『個人』ですので、日本語としてヘンですね。
もし、逮捕された人が所属していた団体が…という意味だとしたら、逮捕者がなんらかの団体に関わっている、という確証は得られて書かれている、ということでしょうか?
取調べをしている警察ですら、よくわからない相手のことをご存知とは、なかなかの千里眼かと思います。
●『左翼・過激派』について、お詳しくないようなので書いておきますと
反戦と抵抗のフェスタの呼びかけページには
>運動の仲間に組織暴力を行使する人々と警察官および警察への協力者の参加は断ります。
とありますが、これは中核派などの過去に『暴力的な仲間割れ』などをした組織(いわゆる内ゲバをした左翼党派)の参加はお断り、という意味なので、ご記憶ください。
なにごとも、自身が詳しくないもの、わかっていない事への言及は、墓穴を掘ることにつながります。
そして『わかった』状態になるには、かなり努力しなければなりませんし、どんな話にも裏があります。
ご注意ください。
●「のどかな企画」と判断した根拠
今回のデモの企画を『のどかな』と表現したのは、参加者十数人に聞き取りを行った、私の感想です。
JANJAN編集部の意図ではないので、誤解しないようにお願いいたします。また、主催者が『のどかな企画である』と首長しているわけではありません。ひょっとしたら、意図は逆だったかもしれませんが、結果として現場は、逮捕が発生するまでは『ほのぼのしたもの』だったという感想がいくつも出た、ということです。
逮捕事件が発生した時の写真を中心に見れば、緊迫したものに身なるのは当然でしょう。
また、「プラカードをもった意思表示」や「左翼活動」などに対する予断と偏見をもって判断すれば「どこがほのぼのしているんだ」という印象が出てくるのかと思いますが、実際に参加した人間、十人以上聞き取りをした結果としては、ガイコツ人形などのアイテムとは裏腹に「そういうにほのぼのしていた」という印象を受けたわけです。なお、このような判断を下した私自身にとっても、「ほのぼの」という感想は、当初の予想に大きく反していたことを、付け加えておきます。
なお、わたしはフリーター労組の構成員でも、なんでもないのですし、ましてJANJANは誰でも投稿できるただの素人記者サイトですから、『あっち側のメディア』扱いされるのは、すこし『いかがなものか』の判断のように思います。
詳細なる指摘、ありがとうございます。
本人達は「ほのぼの」と感じていた、ということですね。
記事タイトルおよび、私の印象に関する記述を加筆・修正いたしました。