時事問題

記者会見する田母神元空将

記者会見する田母神元空将

天晴れなものである。
民間の懸賞論文で大東亜戦争肯定論を展開し、先日更迭、定年退職に処された田母神空将のことです。

田母神氏は、実は「時間がかかってもいい、ちゃんと懲戒審理を通してくれ」と防衛省に要求していたのです。一本筋の通った、実に堂々とした態度です。

しかし、防衛省側はこれを拒否、「60歳を超えていたから定年退職」ということで、臭いものにふたをするかのように逃げました。

田母神氏、懲戒審理経ず退職に=「議論したい」に「必要ない」-防衛省

アジア諸国への侵略を正当化する内容の論文を発表し更迭された田母神俊雄前航空幕僚長(60)=元空将、3日付で定年退職=が、退職が発令される前に「懲戒に当たるかどうか議論したい」と防衛省側に伝えていたことが5日、分かった。
時事ドットコム:田母神氏、懲戒審理経ず退職に=「議論したい」に「必要ない」-防衛省

論文の受賞時に「本当に大丈夫か」と念を押された上での発表でもあり、やはりこの日のあることを見越した覚悟の上の行動だったことが伺えます。
典型的な小さい批判で「言いたいことがあったら、制服を脱いで(退官して)から言うべき」というものがあります、それでは駄目なのです。考えても見てください。果たして、田母神氏が退官後にこうした論文を発表したとして、今のような騒ぎになったかどうか。
今、空軍トップの地位にある今こそ、この論文を発表するべきときだったのです。

マスメディアによる個の圧殺、「文民」による思想教育

だがこれに対して、反日的左翼思想で凝り固まった日本のマスメディアは、判で押したような紋切り型の中傷に終始しています。

「ぞっとする自衛官の暴走」
「退職金は推定6000万円」
「会見で反省の弁なし」

ぞっとするのはこちらのほうです。政府見解と違う見解を個人が口にしたらいけないとは、どんな全体主義国家か。しかも、その防衛省のトップにしてからが

浜田氏(防衛大臣)はまた、再発防止策について、「幹部自衛官の教育では今後(先の大戦の侵略を認めた)村山富市首相談話をはじめとする政府の歴史認識を踏まえた適切な教育を進めていく」と表明。同省職員が外部に意見発表する際に、文書で通知する内規についても、実効性を高める措置を講じる考えを示した。
前空幕長更迭問題で幹部7人処分 防衛相は給与1カ月返納(産経新聞) – Yahoo!ニュース

なんと、これから自衛軍幹部は思想教育、しかも村山談話等による洗脳教育が行なわれるという宣言である。恐ろしい。守るべき国家はアジアに多大な苦しみを与えた犯罪国家。攻めてくるのはかつて侵略した日本を開放してくれる特定アジア諸国。

さてそんな軍隊に国を守れるのか?

参考人招致

民主党は、田母神氏の国会への参考人招致を計画し、気炎を上げています。

田母神・前空幕長を参考人招致へ 民主方針

民主党は4日、小沢代表、鳩山由紀夫幹事長ら執行部の協議で、「我が国が侵略国家だったというのはぬれぎぬ」と主張する論文を投稿し、更迭された航空自衛隊の田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長(60)について、参院外交防衛委員会(北沢俊美委員長)で参考人招致を求める方針を決めた。

同委では現在、補給支援特措法改正案が審議されているが、野党が多数を占めており、民主党が要求すれば実現する可能性が高い。田母神氏は3日の記者会見で、国会の参考人招致について、「積極的に応じる」と述べている。
asahi.com:田母神・前空幕長を参考人招致へ 民主方針 – 政治)(2008年11月4日12時38分)

マルチ党の党首が考えていることは、これを材料にして政権与党を揺さぶろう、という政治的発想と思われます。
しかし田母神氏は「積極的に応じる」構え。いいじゃないですか。どーんと言ってもらいましょう。果たして日本は侵略国家だったのか、恥ずべき性奴隷制国家だったのか、村山談話が政府見解として採用するに足る談話なのかどうか。

防衛省が光の速さで田母神氏を更迭・退職させたのは、あの田母神論文が、まさに審理を突いていたからに他なりません。
日本の現在の安定は、日本を悪の侵略国家として位置づけ、各国に下げなくてもいい頭を下げて金を受け取ってもらうことによって、いわば先人達の犠牲への冒涜と、未来の日本に大いなるツケを払わせることによってなんとか成り立っているものです。

これからもう墓場に行くことしか考えていない人はそれでいいのかもしれませんが、これからの日本のことをも考えるならば、こうした「老害」には決然と立ち向かわなければならないでしょう。

田母神氏の参考人招致、できるものならぜひやってもらいましょう。ひょっとすると、日本の戦後の言論統制、WGIPというパンドラの箱が空いてしまうかもしれません。

(櫻木)