歴史と日本


奉祝 紀元節

本年もこうして建国記念の日を迎えられますことをお慶び申し上げます。
また、心臓の精密検査のためにご入院遊ばしている天皇陛下におかれましては、一日も早くご回復されますことを心よりお祈り申し上げます。


さて。私たちは、今日のこの日が「建国記念日」ではなく、「建国記念日」である意味について、今一度考えなくてはならない。

紀元節の意義

そもそもこの日は、1948年までは「紀元節」という、1年のうちでもっとも大事な祝日だった。2700年の昔に初代天皇である神武天皇が即位され、日本という国が始まったことを祝う日である。

しかし終戦後、GHQの手によって祝日を「改正」され、紀元節も天長節も祝うことができなくなった。これは歴史と文化の破壊であり、スペインのインカ侵略にも匹敵する、世紀の蛮行である。

戦後数年して、当時の与党である自民党が「紀元節」だったこの日を「建国記念日」として祝日に制定しようとした。
そのとき社会党という今は亡き左翼政党が
「神武天皇の話は歴史的、化学的根拠がない」
「軍国主義につながる」

などと下衆なイチャモンをつけて廃案となった。

まやかしの建国記念

さらに自民党は譲歩を重ね、
「建国された日ということではなく、建国されたこと自体を記念する日」として解釈できるように、「建国記念『の』日」という名称にしてようやく祝日となった、という経緯がある。
この「の」はまさに妥協の産物、まやかしと言っていい。

本来、建国記念日や独立記念日は、どこの国でももっとも重要な祝日として、国を挙げて祝うものだ。しかし、今や日本の建国記念日は、祝日としての地位も曖昧で、学校でも家庭でもろくにその意義が伝えられていないのが現状だろう。

子供たちに、民族の歴史をもっとも身近に感じさせ、自然に教えることができるのが祝祭日だ。
祝祭日は、その国の文化、伝統であり、歴史そのものでもある。
歴史を失った民族は滅びる。

今、日本はまさにその道をひた走っている、そんな気がしてならない.

日本の祝日を取り戻そう

どうかこの文章をご覧になった皆様におかれては、今日のこの日が「紀元節」という建国記念日であること、日本国が2700年の悠久の歴史を持つ、世界最古の民族国家であることを忘れず、家族や友人、とりわけ次代をになう子供たちによくよく聞かせていただきたい、と思うのだ。

2月11日が「建国記念日」もしくは「紀元節」として制定されたとき。
そのときこそ、私たちはようやく「もはや戦後ではない」と言いきることができるのではないだろうか。

(櫻木)