高校野球、春のセンバツ大会に、『21世紀枠』という特別枠がある。
これは、通常の先行とは別に、部員不足や災害などの困難と戦う学校に送られる、特別出場枠である。
2012年は、
- 氷点下20度の寒冷地で健闘した女満別高校
- 東日本大震災で被災した石巻工業高校
- 阪神・淡路大震災当時に生まれた世代の洲本高校
の3校が選ばれた。
さて、実はオリンピックにも、こういう特別枠がある。
オリンピックでは、参加標準記録を突破した選手が1人もいない国・地域は、男女1人ずつが、いずれかの種目に出場できるという「特例」があるのだ。
そしてカンボジアがこれに該当する。
カンボジアの特別枠を利用した猫ひろし
猫ひろしというお笑いっ芸人がいる。自己ベストでも2時間30分26秒で、標準記録に届かないアマチュア選手だが、この特別枠で出場するために、日本国籍を捨て、カンボジア人となり、今回カンボジア代表としてオリンピックに出ることが決まった。
はっきり言って、猫ひろしは日本の恥である。走る国辱と言っていい。
日本ではプロになるほどの実力がないからといって、特例のあるカンボジア国籍を取ってオリンピックに出場……。
カンボジアの場合、地元選手に猫なにがしより早い記録を持つ選手もいたという。しかし、何やら不思議な力が働いて出場を辞退したとか聞く。
このあたりの事情も、猫のマラソン挑戦で密着番組を作ってきたスポンサーである某民放テレビ局に、存分に明らかにしていただきたいところだ。(皮肉です)
地元の人にどう思われるか
かかる愚行は、高校野球に例えて言えば、強豪校の智弁和歌山の補欠選手が11人、センバツの直前に特別枠である石巻工に転校するようなものではないか。
そうして「石巻工生徒ですから」という顔をして元からいた部員を押しのけて出場すれば、宮城の人はどう思うか。
そんなことも分からず、
「スタートは“ニャー”で勢いをつけて、ゴールした後に、最高の五輪一発ギャグをできるように頑張ります」
等と脳天気に語る猫ひろし。日本人とカンボジア人、どちらからも軽蔑されながら走るレースが、そんなに楽しいものになるのだろうか。
五輪は、自己満足で参加することに意義があるわけではなく、国民の期待を背負って、国の代表として出場し、敢闘することに意義があるはず。それは地域の代表校が出場する甲子園、センバツも同じ事だろう。
猫ひろしよ、まずは五輪出場権をカンボジア人のトップ選手に返上せよ。
しかる後に、カンボジアという国家に対して自分が何をなすのか、昨年生まれた日本人である娘にどう説明するのか、考えよ。
それから、その品のない芸名を舘ひろしに謝るべし。
(櫻木)
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