コラム

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犬の名前の和風化が進んでいるそうだ。

雑記帳:トップ3は「モモ」「ハナ」「サクラ」…

 ◇トップ3は「モモ」「ハナ」「サクラ」--。ペット医療共済会社の「アニコム」(東京都新宿区)が加入データを集計した日本犬約1万匹の名前ランキングで、春を思わせる和風の響きが並んだ。

 ◇3位までは300匹前後、以下(4)リュウ(5)ナナ(6)リン(7)コロ……が160匹前後で続く。同社によると、呼びやすく、響きの良い2文字の名前が最近人気らしい。

 ◇「忠犬ハチ公の日」(8日)にちなみ集計したが、本家と同じ秋田犬のハチと名付けられたのはわずか3匹。数字の順番通りナナの次とはいかず、大きく水をあけられた形だ。忠犬も21世紀にはやや古風になった?【高倉友彰】

毎日新聞 2007年4月16日 東京朝刊
MSN-Mainichi INTERACTIVE 雑記帳

失われた10年に失ったもの

これは、近年のいわゆる日本ブームの表われと見る向きもあるだろうが、僕はこれは一過性のものではないと見ている。


失われた10年とは、経済的な停滞のみを意味するものではなかった。日本がまさに、その歴史観とアイデンティティを失ったまま漂流し続けた期間だった。そうした自信の喪失は、民族的なルーツと歴史・文化とに回帰する。

戦後、日本を支配したアメリカは、その長大な歴史と強固な民族的アイデンティティに恐怖し、戦前の2500年を全て否定する情報操作を行なった。これを進歩的左翼知識人が拡大再生産し、流布していった帰結が、高度経済成長からバブル経済、そしてその破綻である。

バブル経済の崩壊前夜、僕が小中学生だった頃は、時代の空気として日本的な物を「ダサい」として切り捨てる風潮があったように感じていた。例えばまんがやゲームの世界でも、「カッコイイもの」と言えば西洋風のヒーロー、「オシャレ」なものと言えば西洋風の装飾だった。『ドラゴンクエスト』などはその最たる物だろう。

日本再発見

しかし今では少年まんがの世界にも、和風を取り入れたものは多い。
NARUTO、Breach、銀魂、犬夜叉、結界師…。いずれもヒット作品である。

映画でも『ラストサムライ」のヒットを堺として、『どろろ』や『さくらん』などの和風映画が多数制作されている。(日本ブームと同様、それでも海外の目がきっかけなところや、ヒットする実写はまんがが原作なところなども実に日本的だ。)

そうした一連の日本再発見の流れが、犬の命名にまで波及した、と僕は結論づけるのだ。

「赤ちゃんに付けたい名前」女子大生のランキング本
むしろ人間の名前の方に首をかしげたくなるようなものが多い?

(櫻木)