コラム

第一回国際ニコニコ映画祭には、アクション作品が2篇あった。
3人必殺拳
『双龍』 番長編
作品としてのできは発展途上ながら、動きが素晴らしい。「アクション」「格闘 アクション」「カンフー」などで検索したが、こういうアクションものの自主制作は、まだほとんどニコニコ動画にはないようだった。今後の発展に期待したい。

実は僕も5年ほど前に、ネットの格闘アクション動画に出たことがある。知り合いのサイト管理人が、「これからは動画サイトになる!」と宣言して本当に動画を撮りだし、練習として短編の格闘アクションを撮っていた。当時は趣味としてヌンチャクをやっていた僕もちょっとだけ出させてもらったことがある。わずか2分かそこらの出演だったのに、次の日は非道い筋肉痛になっていた。

そこで、もっとちゃんとしたアクションを身に付け、立派なアマチュアアクション俳優になろうと決意した僕は、筋トレを始め、タントスクールに通ったり本格的な武道の稽古を始めたりしたのだった。ところが、元々ホラーやキャンプな映画が好きで、あくまで「バカ映像の手段として格闘シーンを使う」監督の彼と、「格闘アクションそのものを愛する」僕との間で方向性が乖離し、せっかく身に付けた技を披露する機会は以来、一度もなかった。

時に、Youtubeが登場するよりも3年も前だった。時代を先取りしすぎていた。

さて、それでも映像の撮影や編集は、スタントスクールの稽古を撮影しながら、リプレイを兼ねてちょくちょくやっていた。しかし、撮影がメインではないので、なかなか思うように撮れない。そこで僕は、自分が撮りたいように撮り、自分が活躍できる格闘アクションを作ろうと決意した。僕はmixiに『格闘アクション制作委員会』を立ち上げた。これが3年前の話。当時の仮面ライダーは『響鬼』だった。

ところがあれよあれよという間に時間は過ぎ、結局今のところ全く動いていない。スタント業界にはほとんど超人のような人が沢山いるし、Youtubeを見てもアクション動画を上げている人は沢山いる。
YouTube – Martial Arts Street Fight
例えばこのいかにも素人くさい映像を見て、僕は打ちのめされた。せめてこのくらい動けないと「格闘アクション撮る」なんて言っちゃいけないんじゃないのか!?

しかし、ニコニコ動画の大いなるアマチュアイズム、冒頭の動画やノリアキには勇気付けられた。やらずにいつか後悔するより、まずはやってしまったほうがいい時もある。少なくとも後悔はしないようにできるはずだ。今日、知人の病気を知って思った。病気にならなくても、例えば中央線のホームに落ちて死ぬ人もいる。それでなくても、人はいつか死ぬ。生きているうちに、精一杯やらなくては。

(櫻木)