ニコニコ動画が好調のようである。僕も最近、ニコニコ動画をちょくちょく見るようになった。当初は、Youtubeの動画データを引っ張ってきて、そこにコメントを上からかぶせる仕様だったが、Youtubeに閉め出されて以来、自前の動画サーバーも用意し、ユーザー数も400万人を突破している。それに伴って、TV番組等の著作権違反動画の人気が中心だったYoutube時代よりも、ユーザーが自主撮影・制作した動画が中心となって盛り上がっているように見える。
そんな中、ユーザー作成のオモシロ動画の中から優秀な作品を表彰する『国際ニコニコ映画祭』という試みは、とても興味深いものに感じられる。
しかし、結果がお粗末すぎた。
グランプリを獲得した『サンタ狩り』という約1分の作品は、夜の繁華街を逃げるサンタクロース姿の男が、全身白タイツの男二人にバットでボコボコに殴られる、というだけのもの。
もう一度書こう。サンタが二人組の男に殴打される、というだけのもの。本当に、それ以外に何もないのだ。「子供が真似する」とか「暴力を助長・肯定する」とかそういうレベルではない。あえて言おう、カスであると。ゴミ以下の作品であると。
面白いとか不快とか怒りを通り越して、ただただこの自称「作品」レベルと作り手の志の低さ、これを選んだ審査員の見識にあきれるばかりである。唯一の救いは、ひろゆきが最後まで反対していたことくらいか。
それだったら2位のニコニコ動画(RC2)‐納豆ヘアーセッティングの方が編集に凝っている分、まだ面白いと思うし、何の賞にも引っかからなかった単なるノミネート作品の中にも、『サンタ狩り』よりマシなものはいくらでもある。
もし『サンタ狩り』をアクション・ジョークとして見るなら、登場人物がちゃんと動いている分、『『双龍』 番長編』の方がまだ見応えがあるし、ナンセンス・ジョークとしてなら『人形劇「サバンナの密猟者」の方がまだしも、笑える。(ある意味においてでも)
第一回の惨憺たる結果と不評に運営側が焦ったのかどうかは分からないが、ニコニコ動画では早くも第二回が開催されているが、果たしてどうなるか。少なくとも、第一回で『サンタ狩り』を推した審査員は全員入れ替えるくらいのことをしてもいいのではないか。
(櫻木)