時事問題

五輪の新名物競技、「消火リレー」が今週から華々しくスタートした。

この競技は、伝統行事に基づき、災厄の象徴である鬼が持つ灯火を消火する回数を競う種目である。鬼の周りには、屈強な鬼軍団が護衛役を務め、参加選手の消火活動を妨害する。参加は一般市民から募られ、世界中でリレー形式で開かれている。リアル鬼ごっこ。ガッシ。ボカッ!

この競技において英国は30人以上の逮捕者を出す奮闘振りを見せ、一躍優勝候補の筆頭に躍り出たかに見えたが、続くパリでは何と3度も消火に成功し、現在首位をキープしている。続く「五輪大国」アメリカも、その威信を掛けて取り組んだが…。

青いユニフォームに身を包んだ長身の中国の警備関係者らに囲まれた最初のランナーは聖火を高く掲げ従来の出発点をスタートした。

だが、ほどなく一団は水辺の巨大な倉庫へと消え、1時間後に倉庫から3キロ以上離れた幹線道路に姿を現し、見物客らを驚かせた。

チベットの旗を持ったカリフォルニア州の高校教師(30)は「卑劣だと思う。市内を
聖火リレーできないのなら、誰も五輪を応援しないということだ」とコメント。

痛いニュース(ノ∀`):【米・聖火リレー】スタート直後、聖火ランナー&防衛隊が巨大倉庫に「雲隠れ」→1時間後、突如別の場所に→聖火リレーは「大成功」と新華社報じる

結果、鬼のバス&高速道路利用という、前代未聞の奇策によって、アメリカの選手団はその活躍機会を事実上奪われてしまった。

これは、オリンピックの神聖なるコンセプトを真っ向から否定する態度であり、昨今の結果至上主義の行き過ぎによる弊害ともいえる。こうした「何でもあり」の五輪競技の風潮に歯止めをかけ、また、聖火消火リレーのルールの厳格化と、審判団の公正な人選と判定が求められる。

(櫻木)