仕事人に始末されたか、裁判の行方を悲観してか、はたまた世界恐慌による株と外為の含み損に絶望してのことかは良く分からないんですが、まぁ日本の恥をさらす悪人が一人減ったなら良かったですね。
というくらいで、興味がないので今まで全くスルーしていた例の事件なんですが、ひとまず終了ということで軽く触れます。
そもそもこの事件は1978年以来、様々な憶測や噂、研究、調査などの対象となってきました。その真相については1997年6月24日にアメリカ空軍総司令部が、墜落した宇宙船の残骸を隠していると…。すみません、これはロズウェル事件でした。
ロス疑惑はと言えば、単なる金目当ての保険金殺人なんですが、日本では「証拠不十分」ということで無罪になってしまったので、逆に三浦がメディアを名誉毀損で訴えたりしているうちに反体制ヒーローみたいな気分になってしまったのか、本なんて出したりして大きい顔をしていたわけです。
ところがアメリカの法律では殺人事件の時効がないので、執念で捜査を続けていたロス市警に捕まったんですが、テレビの街頭インタビューで「三浦さんにはがんばってもらいたい」とか「日本の誇りです」みたいなコメントを吐く若者まで出現する始末で、どうも若ェ衆には問題の本質が良く分かってないようです。
事件のあらすじを言えば、放火とスワッピングが趣味の男が、ロスで情婦を殺害し、人を雇って妻を殺害して保険金をせしめた、というだけの話でしょう。それが日本で無罪放免してしまったおかげで、ロス市警が代わりに苦労して捕まえなくてはならなくなった。完全に日本の面汚しです。L.A.P.Dの皆さんには本当にお手数かけました。後始末から何から何まで…。
冤罪や人権の問題と、こうして悪人を裁ききれずに世に放ってしまうこととのバランスを考えると、司法とは難しいものだなと思います。しかしこの三浦某や、光市母子殺害事件のときの鬼畜弁護士のような存在を見るにつけ、「常識的」な考え方を取り入れる裁判員制度というのも、それなりに意義のあるものかとも思います。
しかし、裁判に「常識的」「世間的」なものの見方を取り入れるのが目的だったら、逆に裁判官なり検察官なりが、一般企業や社会に一定期間研修に出るシステムの方が良くないですか? どう考えたって、素人が裁判に参加するより、プロが一般社会に交わる方が話がラクだと思うんですが。
そういえば、最近では「人権の保護」と称して、犯罪者の頭にシートが被せられたり、報道では手錠にモザイクがかかってたりして非常に邪魔ですが、これらは1985年に三浦が「逮捕前に犯罪者であるかのように報道されるのは人権侵害だ」と裁判を起こして、しかも勝訴してしまって以来の慣習だそうです。まあとにかく最期まで人騒がせな悪人でした。
あとこれは余談ながら、国民的英雄であるキング・カズと名前の音が同じなので許せないのでした。(字は違いますが)
(櫻木)