「おかわいそうに」の日本人
戦時中、日本に抑留されている英米人捕虜を見たある婦人が「おかわいそうに」と言って、物議を醸す事件がありました。しかし、立場や利害感情を超えて、目の前に哀れな人がいれば、まず「かわいそうに」と思うのは、日本人の自然な情だと思います。
今回、強制退去が決定したカルデロン一家の件についても、「おかわいそうに」と同情した日本人が多かったようで、在留許可を求める嘆願署名は何千通と集まったそうです。これはこれでいいと思います。昔も今も、日本人は優しい。これは戦前と変わらぬ日本人の美徳です。
しかし、司法もそれでは困るのです。このカルデロン一家は、15年前に日本に不法入国していたフィリピン人家族です。いわば犯罪者に当たるわけで、基本的には不法入国に対しては強制送還、国外退去を命じるしかありません。どの国もそうです。そうでなければ、国外から難民や犯罪者が押し寄せて、その国の治安・行政は崩壊するでしょう。
この家族には、日本で生まれ育った13歳の娘がいたので、同情論が大きくなりました。日本で生まれて日本語を話す少女を犯罪者扱いして国外退去させるのもどうか、というわけです。
特例を認めたら秩序が崩壊する
しかし、この話を認めるとどうなるのでしょうか。
例えば、運転免許。この人は13回も受けているからと、あるドライバーを合格にしたらどうなるか。
大学受験で、合格点数に1点満たないだけだからと、ある受験生をオマケ合格させたらどうなるか。
「では12回なら」「2点足りない場合は」と、際限なく境界線が後退していくことでしょう。
同じようにカルデロンの場合も、「13年粘れば認められるのか」「12年ならどうか」「地域にとけ込んでいればOKか」と、エスカレートしていき、やがて入国管理法は骨抜きになってしまいます。
「杓子定規に当てはめたらノリコさんがかわいそう」と思う方もいるかもしれませんが、秩序、規則とは元来そういったものでしょう。
カルデロン・のり子さん一家 両親の在留認めず
強制退去処分を受け、一時滞在の仮放免期限を迎えた日本生まれのフィリピン人カルデロン・のり子さん(13)=埼玉県蕨市立第一中学一年=の両親について、東京入国管理局は十三日、在留特別許可を認めない方針を伝えた。東京入管は同日、出頭した父アランさん(36)と母サラさん(38)夫妻に二十七日までに帰国日を決めるよう通知した。
カルデロンさん一家は先月十四日、一時滞在の仮放免を認められ、この日が期限。入管はこれまでに、のり子さんだけなら在留特別許可を認める可能性があることを示唆していた。アランさんとサラさんは今月末にも強制退去となる可能性が高まった。
夫妻は出頭後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見。中学校を早退して駆け付けたのり子さんは「父から学校に連絡があった。私にとって日本は母国。勉強を続けるために家族三人で日本に残りたい」と目を潤ませながら語った。アランさんは「三人で帰国することも、のり子だけ置いていくこともできない」と語り、終始、硬い表情だった。
東京新聞:カルデロン・のり子さん一家 両親の在留認めず:社会(TOKYO Web)2009年2月13日 夕刊
しかもこの家族の場合は、娘だけなら特別在留許可を認めても良い、とまでの恩情がかけられていたのです。「家族3人じゃなきゃイヤだ」というのはさすがに虫の良すぎる話でしょう。
こんな話を認めてしまうことは、不法入国などせず、正式な手続きを経て日本に滞在、帰化している外国人、ビザの期限が切れたので粛々と帰国する外国人に対する差別に他なりません。
カルデロン・のり子さんはつい最近までブログを運営しており、そこに日本に帰化した外国人少女からの書き込みがありました。(ブログ自体の真偽もこの書き込みの真偽も定かではありませんが、こういう声が実際にあっても不思議はないでしょう)
正式に帰化した外国人の声
私はフランスから日本に来て正式な手続きをして日本に帰化しました。
色々と大変なことがありましたが私が帰化をするときにも人権だとか共生だとかそういうきれいな言葉を使って私を利用しようとする汚い大人達がいました。
彼らがあるとき私に言ったんです。私達は心から日本が嫌いで日本人が憎いのだと。
そういう人たちにとって私達のような日本にいる外国人(特に女の子)は利用できる存在だそうです。
私は日本が大好きですからそういう人達に利用されたくないと思い協力を断りました。
私を利用できないと知ると汚い言葉とともに去っていきました。今のあなたを見ているとそういう汚い大人達のビジネスに利用されていて、かわいそうで仕方がありません。
今は法律に従ってフィリピンに帰ることがあなたのためです。だまされないでほしい。
このまま日本に残ってもあなたはそういう大人達に利用され傷つけられます。
つらいと思うけど、今は祖国に帰って汚い大人達の手から逃げてほしい。
あなたをテレビで見ましたが本当に素直でかわいい人だと思う。
だから汚い大人のお金もうけになんて付き合わないで、もう一度チャンスを作るためにフィリピンに帰ることがあなたのためになる。そう信じています。
アレン 2009-01-14 16:39:12
noricの日記(魚拓)
「自分は100%日本人だと思う」「日本で夢を叶えたい」
本当にそう思うなら、まずは母国に帰国して、自分で普通に来日し、帰化する道を探るべきでしょう。日本語とタガログ語を自在に操れるこの少女が、日比両国の真の友好の架け橋になってくれれば、と思います。
(櫻木)
可哀想なら犯罪者は許されるのですか?
じゃあ法律って何の為にあるのですか?
このケースで カルデロンのり子とその擁護団体は
1 日本語しか話せない
2 日本で長く生活して 日本のお友達も多い、というか 日本人の友人しか居ず 別れるのが辛い
3 フィリピンに帰っても 言葉や学校生活に馴染めない
とのたまっている訳ですが 先ず 1 は多分 大嘘で 両親は 職場では日本語でも 家庭内では 英語やタガログ語での会話だったはずで 帰国しても 絶対 会話には 困らないハズ
2と3 については 外国暮らしの長かった日本人家族と一緒のはずで 会社の命令で 或いは お国の仕事( 外交官や外国勤務のお役人など )や 留学・研究生活などで外国暮らしが10年以上に及ぶ 日本人の子供は 案外 多く 居るはずでしょう。帰国の時期が来れば 両親と一緒に帰国するのは 当然で 日本語は 少し不得意で 帰った先に 友人知人が 居ないのも 全く 同じです。
全く 何の問題も有りません。
腰抜けの法務省は のり子の残留を認めたが こここそ 問題。ゴネ得の先例を作ってしまった。そもそも 3人の不法残留が判った時点で 擁護団体の残留要請や 裁判など 一切 受け付けず サッサと 国外退去をさせていれば 此処まで 問題は 大きくはならずに済んだハズでしょう。
ま、一家の失敗は 民ス党が政権を取る前に 密入国・不法残留が バレた事で、 民ス党政権下なら 一家揃って 滞在オッケー 将来は 選挙権も被選挙権も 払っても居ない 年金まで 貰えるハズで 残念でした。