コラム

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縁あって、モーニング娘。のラストコンサートに連れて行っていただいた。

ラストといっても、厳密には解散…というワケではないのだが、今日の吉澤ひとみ卒業をもって、いわゆる「4期メンバー」と呼ばれ、6~7年前にお茶の間を賑わせた中核メンバーが昨日で全員がいなくなったのだ。

現役のモーニング娘ファンには色々と異論もあろうが、これが一つの時代の区切りであることに間違いはないだろう。

吉澤ひとみのリーダーシップ

昨日“卒業”したのは、リーダーの吉澤ひとみ。リーダー就任当初は、矢口の解任劇などのゴタゴタの中で、はたしてチームをまとめきれるのだろうかと不安視もされたが、後輩たちに心の底から慕われているその姿は、本当に立派なリーダーで、真にモーニング娘的なものの体現者だった。

これについては、本当に感心させられたので別項を設けたい。

新垣里沙の発言

現に、メンバーからさえも「モーニング娘。がいなくなってしまう」という声が聞かれた。

花束を渡しての卒業セレモニーでも、泣きじゃくるメンバーに対して、冗談で混ぜっ返したり(「本当にお世話になって…」「ホントにぃ?(笑)」)、慰めたり、真剣に受け止めたりする姿は、純粋な少年のようなすがすがしさを感じた。

その中で新垣里沙が「吉澤さんが卒業したら、私の中での『モーニング娘。』が完全になくなっちゃうんです…!」と訴えた。この発言にはみんな思わずのけぞってしまったが、会場の半分は同じ気持ちだったのではないだろうか。さすがに、オーディション前からトレカを集め、純粋にモーニング娘のファンであった来歴を持つ「最後のモーヲタ」新垣里沙と言ったところか。

ラスト・サムライ

新垣里沙は、先輩たちの残していったモーニング娘らしさや、がんばるポジティブ精神を受け継ぎ、伝えていくことだろう。しかし、それが自分の理想とした「モーニング娘。」でないことを、誰よりも新垣里沙が知るのだ。

この構図はまるで、日本の武士道を題材にして人気を博したハリウッド映画『ラスト・サムライ』のようではないか。

変わっていく時代を感じながらも、最後まで侍としての生き方を貫き、武士道に殉じる勝元が吉澤。

新垣里沙は、そんな勝元の精神に感化され、やがて武士団に身を投じ、サムライ魂を受け継ぐのがオールグレンだ。

「パーフェクト…」最後にそうつぶやいた吉澤の脳裏には、満開の桜が浮かんでいたことだろうか。弁当は大盛りだったろうか。

娘を継ぐもの

それにしても、ラストコンサートにふさわしく、堂々としたステージングと、レベルの高いパフォーマンスにはとても楽しませてもらった。素直な感動を覚え、「あ、『モーニング娘。』って言うのはカッコイイものだったんだ」と気づいた。ロックやな。
明日からの仕事はキツい状況が待っているけど、がんばって立ち向かっていこう、そんな気にさせられた。

新垣里沙と残ったメンバーたちには、「大丈夫だよ!落ちこぼれなんかじゃないよ! オマエが!オマエらこそがモーニング娘なんだよッ!」と叫んであげたくなった。(江頭)

(櫻木)