歴史と日本

示現流(じげんりゅう)という流派の名前は、幕末モノが好きな人なら必ず聞いたことがあるだろう。薩摩藩に伝わる剣術で、日本屈指の剛剣術として恐れられた。新撰組の近藤勇をして、「薩摩藩士の初太刀は必ず外せ」と言わしめたほど、一の太刀に全てをかける剣術で、これにやられた隊士の中には、受けた自分の太刀が脳天にめりこんで絶命している者も多かったそうだ。


さてその稽古方法もまた激烈で、奇声を上げながら、木刀を持ってひたすら木をぶっ叩く! それだけ。

(ちなみにこのときに「ちぇすとー!」とは言わない。あれは気合の掛け声ではなく、気持ちが高ぶったときに薩摩人が叫ぶ言葉だったとか。)

薩摩藩主、島津斉興公は、薬丸自顕流(示現流の分派)の稽古を見た際に、「まるで気が狂った輩の剣術だ」と驚いたという。

ここまで聞くと、じゃあそれって一体どんな剣術だったんだろう、という疑問が沸いてくるが、あれは小説の中だけの話…。と思いきや、実はこの武道はちゃんと現代にも伝承されているのであった。本ブログ初公開。これが薩摩の示現流だ!

この画像を最初に見たとき、僕も島津公と同じく驚いてひっくり返った。

た、確かにクレイジーだ。こんな勢いで来られたら、テクニックや駆け引きなんて挟む余地がない。これは強そうだ。
幕末から時代が下ること30年、日露戦争の頃になっても、薩摩師団は日本最強の師団として知られていた。外国の観戦武官の本国へ向けた報告書の中には、「薩摩人」を日本人の中の別民族として捉えているものもあったという。


十一代宗家(!)の東郷重政氏による立ち木打ち。本物だ。


型もいくつか公開されている。…けど、明らかにコミカルな動きの人がいる。(型『再起』のところ。)

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(櫻木)