先週、宮崎県の東国原知事が、「徴兵制はあってしかるべき。若者は1年か2年くらい自衛隊などに入らなくてはいけない」と発言して波紋を呼んだ。(予断だが、同じことを東京の都知事が言ったらもっと強い批判を浴びていたことだろう)
曰く「若者が訓練や規則正しいルールにのっとった生活を送る時期があった方がいい」とのことだが、これに対して「自衛隊は教育機関ではない」「現代戦では兵力はそんなにいらない」「自衛隊からすれば足手まとい」といった批判が相次いだ。徴兵制については、「コストに見合わない」という批判も根強い。
確かに、現実的な話ではないし、自衛隊は教育機関ではなく、コストにも見合わないかもしれない。しかし、僕も、やはり、あっていいと思うのだ。徴兵制。
かの永世中立国、スイスにも徴兵制がある。日本はスイスよりも韓国よりも、差し迫った現実の脅威にさらされているし、短期間でもハートマン軍曹のような上官にしごかれ、「国防意識」の片鱗を若者に抱いてもらうのは、自衛隊が教育コストを背負い込む意義として少なくはないと思うのだが。
もちろん、現代社会の若者のモラルの荒廃、軟弱さの根幹は学校・社会の教育問題なので、徴兵制で全てが解決するわけではない。日本を良くするための数あるオプションの一つとしての徴兵制、である。
こんな話をすると、「どうせ自分は行かないんだろう」と言われるが、もし制度として敷かれたら、僕は喜んで従軍する。が、少なくとも今世紀中は徴兵制は夢物語で終わりそうなので、僕は今、予備自衛官制度への応募について真剣に検討している。
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徴兵制については、この辺をいくつか見てもう少し考えてみよう。(→Amazobn – 「徴兵制」)
ちなみに東国原知事は、「徴兵制」発言の後はグダグダになっている。
「東国原知事が徴兵発言で釈明も…今度は「徴農制」
「東国原知事、今度は“徴農”発言を陳謝」
ハートマン軍曹…映画『フルメタル・ジャケット』に出てくる鬼軍曹。
予備自衛官制度…いわゆる予備役兵。年間一定数の訓練に参加し、有事の際の予備兵力として機能する兵力。何もないときは日常生活を送るが、規定の日数の訓練に参加しなくてはならない。
(櫻木)